★エラーコイン鑑定所見書作成します・陰打重文穴ズレ・科学鑑定 | 和同開珎ー皇朝銭専科のブログ

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★エラーコイン鑑定所見書作成します・陰打重文穴ズレ・科学鑑定

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エラーコイン。。。最近オークション市場を賑わせておりますものですが、実はほとんどのものは加工によって作られました贋作です
その加工技術は極めて高いもので目視はもとより顕微鏡を使ってもまだ加工の痕跡を見つけるのが容易でないものが多々存在いたし、実際に最近オークションに出回っておりますものの実に9割以上はこうした加工銭であり、製作段階にできましたエラーではございません
エラー銭ではわが国最高のコレクター様のご協力によりエラー銭の実情の調査をさせていただきこのたび正式に鑑定のご依頼を受けられますだけの準備が整いましたのでご案内いたします

まずはほんの一部ですが、贋作エラーの内容をご紹介いたします

裏表傾斜ズレエラー。。。。  近代現代コインでもっとも多く見かけるパターンのエラーで、表と裏で位置がズレて打刻されたものです
このパターンのエラーコインの発生原因は打刻マシンの金型のセッティングミスで、通常テスト打により完全に修正されますので以後の発生はありえません
極めてまれに発見されます本物のエラー銭はこのテスト打コインが何らかの理由により流出した場合、またはマシンのテスト打を行わない、、またはズレを見落としたためにズレた金型で生産されてしまった場合のみ発生いたします
後者の場合、当然早い段階で発見されてしまい、そのロットは全廃処分されますのでやはり簡単には市場に出て来ることはございません
ところが実際はかなりの数がオークションで紹介されております
そこで相応の傾斜エラーを検証させていただきましたところほぼ全てが同一の方法による加工でした
その方法ですが、1枚を旋盤でくりぬきそのくりぬいた部分に別の個体から削り取りました部位をはめ込むという方法です
言葉で表すのは簡単なことですが、これを0.01mm単位で削り2枚を1枚に合成するのですからその技術はかなりのものです
信じられないかもしれませんが先日発見されました同様銭のX線透過撮影画像をアップしてございますのでご覧ください
この個体ですが500円をくりぬき他の500円玉の削った部位をはめ込むだけでは飽き足らず、そうして製作した500円玉のケースの中になんと、小さく、薄く削った50円玉と10円玉を忍び込ませてあったのです
X線撮影の結果たしかにこの500円硬貨の中に50円と10円が隠れていることがわかります
また旋盤で削り他の個体をはめ込んでいることがX線撮影によりはっきりと映し出されております
ノーマルの500円玉とこのスーパー加工銭のX線画像を比較してみてください
もはや芸術といっても良いレベルであり、この意味のない加工はおそらく製作者によってその製作過程は画像などに残されているものでしょう
単に贋作製作というだけでなく、自身の加工技術をだれかに誇示するために作られたものだと思います
傾斜ズレは基本このくりぬき&はめ込みによるもので、オークション品の99%以上は贋作とお考えください


陰打ちエラー。。。  同じくオークションにたびたび出てまいりますエラーの一つで片面は普通なのですが、もう片方の面が普通な方と同じ絵柄の裏打ちになったエラーで、本来のエラーとして最も発生しやすいエラーでしょう
もっとも発生しやすい、、、とは言いましてもその発生確率は数千分の1程度以下でしょうしそうしたエラー打が発生したところで現代貨の場合はマシンがエラーを検知し即停止し、そのエラー貨は廃棄されるわけですのでこれが流通に乗ってしまうためにはそれなりの不正や本当の意味でのミスが重ならないことにはありえないことですので当然オークションで紹介されているほど多くのものが存在するはずもございません
このパターンの銭の多くですが、片面を研磨し平らにしたところに別の同一貨幣を合わせ、2枚をプレスにかけることによりもう一枚の銭文を平坦に削った面に転写させるといった技法がとられております
当然研磨をしたら重量は圧倒的に目減りいたしますがこれにつきましてもほぼ同じ材質で埋め加工を施しそこから本来の量目まで削った上に打刻を施したり傾斜エラーで使われましたくりぬき合成によって影打ち加工した面をはめ込む技法などさまざまなパターンが見つかっており結論から申し上げますと陰打ちエラー銭の場合正規面平坦部に不自然なゆがみがわずかでも観察できますものはまずこれらの方法による加工贋作であるといえます
やはりオークション品の9割以上はこうした加工銭であり本来のエラー銭ではございません


穴ズレ、穴なしエラー。。。  こちらもよく見かけます
0.5mm以下程度の極小ズレは問題ない場合がほとんどなのですが、参考写真として掲載しておりますクラスの穴ズレ、穴なし銭のほぼ全てはやはり加工銭でありエラーではございません
これらについても精密旋盤のようなマシンが使用され穴部に同一材(他の個体から切り取ったパーツ)でつくった小円パーツをはめ込みつなぎ目を潰し研磨し、またはロウ付けのような方法で固定し、新たに別の場所に穴を開けていたりいなかったり、、というものです
穴ズレの場合開いている穴の内部を観察していただくと大体わかります
加工銭はドリルのような回転工具を使用し穴あけを行っているのに対し、本来の穴はパンチで開穴いたしますので20倍程度のルーペでもなんとなくその違いは観察が可能です
ただ、中にはパンチで穴あけを行っております贋作もございますのでやはり本来の穴部のX線検証や、組成検査が必要です
加工の際ロウ付けをすればその組成が検出されますし、X線撮影を行えば表面はきれいに仕上げてあっても内部には極小の隙間がございますのではっきりと写真に写ります
最も簡単な加工のひとつでしょうから注意が必要です


両面同一エラー、片面打刻なし、過重量、量目不足などのエラーは傾斜同様、くりぬき、はめ込みによる加工がほとんどです
両面同一エラーが発生するためにはまずマシンのセッティング段階に上下の型共に同一型を誤ってセッティングする必要がございます
ところが必ず金型をセッティングした際に行いますテスト打でこのミスは発見されてしまいますのでこのまま打刻が開始されることはございません
またこのエラーに関しましては金型セッティング直後にしか起こりえないものですので仮に本物の両面銭が存在するのであればそれはこのテスト打した際のものが何らかのミス、もしくは不正により持ち出されたものに限られます
物理的な問題などを考慮いたしますと両面同一エラー銭に本物は存在しないのでは?というのが当方の見解で、事実加工銭でない両面同一銭を拝見したこともございません
片面打刻なしにつきましても可能性としては1枚づつ金型にセットされるべき原材料がミスによって2枚挿入されてしまった際にのみ発生することになりますが、そうしたエラーが発生いたしました際は即時マシン停止し、原因になった失敗品は厳格な管理の下廃棄処分されますのでこれが流出するには相応の不正などの関与が必要になるでしょう
またこの片面エラーの特徴ですが、本物であれば2枚重ねでパンチした際の独特の面様を示しており、多くの贋作加工銭のようにのっぺりとした単調な平面ではございません
過重量、量目不足も原材料時点で厳格なチェックがされますのでこのような原板に打刻が施されることはまずないでしょうし、打刻後も重量検査を行いますのでそのまま市場に流出してしまうことは通常ございません
この手のエラーもオークション品などは実に99%以上は贋作であるといえます

重文(二重打ち
)、ダルマなどのエラーですが、二重に打たれたものは正規打刻の後、完全に金型より取り出されることなく次の打刻を受けできるエラーですが、そもそも次の打刻時には次の材料が金型に運ばれていなかったり、打刻したものが金型から外れていなかったりした時点でマシンがエラー判断をし停止いたしますので理論的には発生はしないエラーですが、例えば一度打刻されたものが何らかのエラーによって、再び材料のほうに混入してしまったなどの場合、二打銭ができる可能性は考えられますが可能性はかなり低いものでとてもとてもオークションで紹介されている数が存在するはずはございません
この手のエラーを検証いたしましたところ本物のコインを元に金型を実際に作成しその金型で二打目を打ち込んでいるものがいくつか発見されております
偽造された金型で打ち込まれたものを見分けるのはなかなか難しいことですが、簡単な見分け方は正規打刻と比較し、わずかでも打刻が甘いように見えた場合はまず間違いなく偽造金型による打刻です
無地に大きくそれて打刻されましたダルマ銭の場合(1円が200万円を超えましたバージョン)ですが、打刻前の無地板を入手しなくては実現ができないため偽造、加工の可能性といたしましては比較的低いのかもしれませんが、厳しく管理されているはずの原材料が先日もオークションに出品されておりましたことなどを考慮いたしますと、何らかの手段で無地材料を入手さえすれば不可能ではございません
ただ、鍛造圧などの差や、写しで作られました金型を使用しておりますことから0.01mm以下での厳密な計測を行いますと必ず収縮はございますし、銭文のシャープネスは圧倒的に劣りますので注意をして観察をすれば発見できます
上で述べました二重打ちのダルマは加工の可能性が非常に高いものですからまず贋作と考えたほうがよろしいでしょう

ヘゲ(剥離)。。。 こちらは原材料の不良によるもので、経年により発生してしまうのはやむおえない現象です
ただ徹底的な品質管理をされておりますごく最近の年号ではあまり見られないと思います
加工でのヘゲは音波系の超振動を与え続けたら可能かと思うのですがヘゲそのものがエラー貨としてあまり扱われておらずそれほど高価な取引がされていないことや、確かに一昔前の原材料の品質を考慮すればありえないものではないといえます
ただし極端なヘゲで2枚に分離してしまったもの、、につきましては研磨加工銭2枚をあたかも1枚に合わせたものが散見いたしますので注意が必要です
ヘゲ剥離面は独特の面構造をいたしており、平らに削ったような剥離面のものは贋作でありますので注意してください

一部文様なし。。。 これも本来の打刻時に何らかの異物を一緒に挟み込んだり原材料に付着しておりました異物のためその部位の銭文が消えてしまっているのですが、異物を挟み込んでいるわけですから当然その異物の痕跡が残っておりはずです
もっとも安易にできる加工なのでしょう。。。ほとんどの場合、単に削り落とされただけです