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今回は 佐紀町出土和同開珎 の中より 地味ながら玄人好みのエラー銭 湯不足銭をご案内させていただきます。

細分類ですが残念ながら種を断定できる特徴を確認できなかったために分類不能とさせていただきましたが、恐らくは標準銭であります中字中様であると思われます。


ご覧のとおり文字ははっきりいたしませんし、一見割れのような大きな欠落がございますために一般の方の受けは悪い個体ですが、本銭は製作時に湯不足を起こし失敗したエラー銭です。
欠落部を見てみますとこのことははっきりとわかります。
出土地であります佐紀町では当時和同開珎鋳造も行われていた証拠が発見されておりますので単純なエラー銭の鋳放しなどでしたらそれほど驚きはないのですが、
本銭は、これだけ大きな欠落のあるエラー銭にもかかわらず、仕上げ工程でされる磨輪加工が施され、流通銭と同一のサイズに仕上げられているということです。

通常、鋳上がった貨幣は状態をチェックされ今回のもののようなエラーがあった場合、仕上げをせず再度鋳つぶして新たな貨幣へと生まれ変わります。。
そのような工程の中でごく稀に、失敗したままの姿で放置されたものが鋳放し銭と呼ばれますもので当方でも
岡山出土の神功開宝 鋳放し銭http://page6.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/f118991396
や、希少な
延喜通宝、大字の伝世ものの鋳放しをご紹介させていただいております
http://page9.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/k150605376


いずれも通常銭と比較し、圧倒的に希少で学術的価値も非常に高いものなのではございますが、今回の和同開珎はこれだけの瑕疵があるのにもかかわらず、エラーとして破棄されることなくそのまま仕上げ工程にまわされたという、、鋳放しとはちがった希少性があるもので、非常に珍しいものであります。
本銭は正常な和同開珎と比較して肉厚が非常に厚く、そのために本来全体に行き渡るはずの銅が不足し、その部分が欠落したものと考えられます。
現代の鋳造ではこのようなエラーはなかなか発生しないことでしょうから当時の鋳造技術を知る上で貴重な資料でもあると思われます。
古銭コレクターだけでなく、古代の遺物としての価値もありますので研究者などにお勧めの逸品といえるでしょう。



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