ChimPomの個展May, 2020, Tokyo / A Drunk Pandemic」に行ってきました。

今回の展覧会は2つのプロジェクトで構成されています。

 

May, 2020, Tokyo」は、新型コロナウイルスの影響で延期となった東京2020と緊急事態宣言下である5月、東京を舞台にしたプロジェクトです。

 会場には、いくつもの色調の青色が重なり、ときどき画面上部から雫が垂れたような跡やかすれ、滲みが残る大きな画面がいくつも展示されています。画面には「TOKYO2020」などの文字が浮かんだり、浮かばなかったり。本作は、緊急事態宣言下の東京至るところ設置されていたようです。緊急事態宣言下の屋外で雨や光や影の影響を受け完成されたものですこのプロジェクトを見ていて、「青写真を描く」にまつわるChimPomこれまでの展示や作品を思い出しました。歌舞伎町振興組合ビルで行われた展示では部屋全体が青色に施されていました。それから、みらいちゃんのシルエットもあったな。東京2020に向けて、あちこちで建物が取り壊されていく現状や「青写真の描き方」を問う2016年のChimPom活動がありました。

あのとき予想した未来とは違った現在であのときと同じ手法の青焼きがまだ効果を発揮すること、また緊急事態宣言下において完成していることの意味が作品として現前している状況を理解したとき、作品に近づいて細部の様子を見る余裕がないほど圧倒されました。

 

A Drunk Pandemic」は、去年、イギリス・マンチェスターで制作されたプロジェクトです。19世紀産業革命がもたらした急激な都市化は、衛生環境を悪化させコレラ蔓延の原因となったようです。本プロジェクトは、そのような歴史と向き合っていくものでありますが、ChimPomの創造と鑑賞者の参加によって歴史との対話が可能になっていきます。本プロジェクトは、ノンサイトでのインスタレーションになります。詳細はぜひギャラリーでご覧になっていただきたいです。そして、新型コロナウイルスによる混乱が生じている現在における本プロジェクト鑑賞は、とても奥深いものとなります。過去の歴史との対話と見ていけるものではないかもしれません。まさに、歴史の真只中を生きていると実感する毎日なので。

 

ChimPomの作品を見ると、現在の社会状況と自分の立ち位置を少し考えてみる時間がいつも必要になります。今回の展示も、とても楽しませていただきました。これからも応援してます

 

ANOMALY

Terrada Art Complex 4F

ChimPom

個展May, 2020, Tokyo / A Drunk Pandemic」

7月22日(水)まで開催しています。



May,2020,Tokyo