大学時代の話。
友人(♂)は、米国に単身で旅行にでかけた。

頭もよく非常に面白い人だったが、ひとつだけ弱みがあった。

それはちょっと緊張すると、すぐに顔や表にでること。
目が完全に泳ぐのだ。

そんな彼は、アメリカのどこかで自分用のお土産を買った。

それはビデオ。
20歳の東京一人暮らしの男の子が、アパートに大学の仲間を読んで見たくなるようなものだ。外箱とラベルは、確かアルプスの少女ハイジとか何か、そんなメルヘンチックなものだったと思う。もちろん中身が一緒とは限らない。

そして成田空港の税関検査。

彼の目は間違いなく泳いでいたのだろう。
もしかすると、どもったかもしれない。
両手は、落ち着かずにジャンバーの隅を握っていたかもしれない。

「荷物を開けてください」
「はっ、はい」

 ごそっ、ごそっ。

「このビデオは何ですか?」
「アッ、アルプスの少女ハイジ・・・です」
「中身も確かにアルプスの少女ハイジですか?」
「はっ、はい」
「間違いないですね」
「あ、あ・・・はい」
「それでは別室で確認をさせていただきます。一緒に来てください」

そして連れて行かれた別室。
彼は、係員二人の間に座らされ、
並んでそのビデオを無言で観賞したそうだ。

「このビデオは◎◎◎◎◎ですね」
「は・・・はい」
「没収に同意し、同意書にサインをしますか?」

緊張状態はピークに達した彼。それでも確か、没収に同意しないとどうなるのかと、食い下がったといっていたような気がする。

結局彼は、同意書にサインをし、
汗だくでその場を立ち去ったと後日語っていた。


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