階段を上ってドアを開けると、そこは建物の上だった。座っても寝てもいい大きさのマットレスが置かれ、日よけのパラソルもある。

シャルムルシェイクの低層ホテルは、屋上にあがれるようになっているところが多い。ここはその部屋の宿泊客専用だが、誰でも上がれるところもある。入り組んだ階段状になっているところなどもあり、やはり角っこなどには大きなクッションやカーペットなどが置かれていて、ごろごろビールを飲みながらくつろぐツーリストも多い。

・・・えっと、もちろん夜の話だ。
日中こんなところにいたら、干物になってしまう。

周囲は砂漠なので、夜になると急速に気温が下がり、心地よい海風が吹いてくる。部屋の中にいるよりも、建物の上にあがって、海や内陸の赤茶けた砂漠を眺め涼んでいるほうが、気持ちよいのだ。

遠くからアラブ風の音楽が静かに聞こえてくるが、うるさくはない。
海しか楽しむものはない場所だが、ヨーロッパ人観光客向けに落ち着いたリゾートとして開発されたここは、島旅が好きな人なんかにはいいところだと思う。

結局、初日は自分、この屋上で空を眺めて寝てしまった・・・。
気持ちよかったなあ。