地面に降り立つと、下で待ちわびていた警備員達に囲まれた。警備員といってもゴム底ブーツを履いた綜合警備保障の体育会系のお兄さん達みたいなのではなく、かなり埃まみれのガラベーヤ(アラブの長衣)を着た年老いたエジプト人達だ。背中に銃をひっかけていたが、なんだか撃ったらやばそうな(←本人が)古めかしいものだった。「罰金」
あらかじめ情報を仕入れてしていたので、ポケットの財布に用意しておいたお金を銘々手渡しする。他にはないのかと聞いてくるので、身振りでないことを示す。少なすぎず多すぎず、ちょうどいい金額のはずだ。そのまま「行け」と仕草で示したので、ほっとしてその場を離れる。
大丈夫。カイロ市内まで戻るバス運賃は、ちゃんと靴下の中。靴下の中も危なかった時ように自分は“胸元”にも忍ばせてある。
しかしながら膝も足もがくがくだった。そりゃそうだ。ピラミッドを構成する石は約1立方m。下りる時にはひたすら「ジャンプ」して飛び降り続けるしかない。斜面と平らなところが交互にあれば多少は休まるのだが、ひたすら51.5度だし、休んでいるとそれこそ今度は前のめりに落ちていきそうな錯覚に陥る(徹夜明けで体力も衰退していたからな)。
下りてくる時にも時々風景を見た。夕闇に沈んでゆくカイロの風景が自分は何より好きだったのだが、朝もやの中から浮かび上がってくる砂漠の中の都市は、また別の美しさだった。
さてこの思い出話をするとよく聞かれる。
「機会があったら、もう一度登りたい?」
「絶対にNO!」
▼追記
ピラミッドは登ってはいけないのだが、なんでもイベントとして「ピラミッド登頂競争」というのがあるそうな。優勝者はなんと30分前後で登ってしまうとか。すごい。
ちなみに、二番目のカフラー王のピラミッドは、頂上部分に化粧石が残っているので、上までは登れない。
>>続く
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