2017年S-GT第6戦 鈴鹿 予選・決勝 | レーシングドライバー☆ワダQ

2017年S-GT第6戦 鈴鹿 予選・決勝

二輪の鈴鹿8耐とならぶ真夏の祭典、
伝統の鈴鹿1000㎞が、8月26日・27日行われました。
この鈴鹿1000㎞は、2000年に3位表彰台に立ちました。
また、2010年にはR’Qsモータースポーツを設立して
シリーズ途中からスーパーGTに初参戦したレースでもあります。
以来7年連続完走している思い出深いレースですが、今回が最後。
感慨深いものがあります。

 

さて、26日土曜日は9時20分から
1時間45分のフリー走行が行われました。

明け方からの土砂降りの雨によってコースがウエットとなったため、
チームは路面が乾くのを待つことを決断。

フリー走行が始まって30分ほどはピットで待機します。

その後、レコードラインが乾くのを確認してから、
まずは和田がドライタイヤでコースイン。

ブレーキの焼き入れが目的ですが、
思いの外乾きが早くタイムアップしていきます。

その後、城内選手に変わり午後のQ1に向けて
タイヤとマシンのマッチングなどを確認します。

 

予選Q1では、和田がステアリングを握ります。

コースオープンとともに走行を開始し、
マシンとコースのコンディションを確認するとともに
タイヤに熱を入れタイムアタックを開始。

3周目の2分1秒869がベストタイムとなり、
Q1敗退の予選29位でした。

明日の決勝レースは後方からスタートすることとなりますが、
長丁場となる鈴鹿1000㎞は、
毎年波乱が起きるサバイバルレースで知られています。

チームは万全の体制を整え、上位での完走を狙います。

 


迎えた27日日曜日の決勝日は、
朝から夏の日差しがサーキットを照り付けます。
気温は30℃を超え、路面温度は45℃まで上昇します。

20分間のウォームアップ走行は、
和田が乗り込み5周を周回。

いやしかし、暑いです。

1000km(173周)の長丁場となる決勝レースは、
12時30分に三重県警の白バイとパトカーの先導による
パレードラップでスタートしました。
スタートドライバーを務めた和田は、慎重に周回を重ねます。
チームのストラテジーは、
なるべくこのスティントで周回を重ねて
ドライバーチェンジする予定です。

予定通り34周目まで引っ張りにピットインを行ない、
城内選手が乗り込みます。

コンスタントに周回を重ねていた40周目に
55号車が最終コーナーでクラッシュしたため
1回目のSCが入ります。
これで、先行車とのギャップも縮まり44周目にレースはリスタート。
リスタート後は走行ペースも安定して2分5秒~6秒台で周回します。
57周目には2回目のピットインを行ない、
再び和田がステアリングを握ります。

ここでは、タイヤ交換は行わずにピットアウトしますが、
数周して違和感を感じて緊急ピットイン!
チームクルーも準備が出来ておらず慌ててタイヤ交換を行います。

その後2回目のSCが入った後、
先ほどの緊急ピットインでのピット作業違反があり、
ドライブスルーペナルティを消化することとなりました。

94周目に再度ピットインして城内選手がステアリングを握り、
懸命に先行車を追いかけます。

ここで、ピット内ではマシンを降りた和田に重大問題発生!
なんと極度の脱水症状で立ち上がることも出来ません。
マシンにエアコンは付いているんですが、
クールスーツは装備しておらず、
おまけにドリンクの給水装置がトラブルで
水分補給が出来ない状況での走行でした。
監督他チームスタッフは、状況を見極めますが
最後のスティントを走らせるのはあまりに危険と判断して
残念ですが、リタイヤすることを決断します。
城内選手は、114周目まで走ってマシンをピットに入れます。

 

和田が医務室に行っている間、
チームは、マシンが壊れた訳ではないので
何か対策はないのか検討していると、
黒田監督がふと思いつくことが!
競技委員長に聞いてくるとコントロールタワーに向かいます。
監督が帰ってくると、
残りのスティントを再度城内選手で走ることになりました。
内容は、ドライバー交代義務違反のペナルティはありますが、
規定周回数をクリアしてチェッカーを受ければ
完走扱いになる、というもの。

残り1時間を切ったころ城内選手は、
再びステアリングを握りチェッカーを目指します。
午後6時30分、21位でチェッカーを受け、
8年連続完走出来ました。

 

長い間レースをしていますが、
ここまでの脱水症になったのは初めてです。
休憩すればまた走れると思ったのですが、
ドクターストップがかかってしまい、
チームや応援してくださる方々に大変ご迷惑をお掛けして
誠に申し訳ありませんでした。
しかし、黒田監督はじめチームスタッフの
「絶対にあきらめない」という気持ちで
完走することが出来ました。
本当に、ありがとうございました。

 

次戦は、第7戦タイは参戦できませんので
最終戦茂木となります。
今年の締めくくりとして頑張りますので
応援よろしくお願いします。