みんな大好き、(クソデカ主語)
大日本帝国の町工場で、(怪しい表現)
大日本帝国の人間のために作られたかのような、(過剰表現)
今時珍しいハンドルを手に入れました。
NITTO B105 AA-SSB (420mm、31.8φ、ブラック)です。
1960年代から存在するとかしないとか、
50年以上昔からのロングセラー製品を現代向けにアレンジしたハンドルです。
大分類としては、いわゆるシャローや丸ハンと呼ばれる類になると思います。
ブラケットの取付位置に肩下がりがあり、そこから大きな一定の弧を描いた形状をしています。
メーカーの寸法図です。
リーチ95㎜、ドロップ135㎜と、最近のハンドルより一回り大きな寸法をしています。
シャローの中でも大きい方です。
ブラケットまでの肩下がりは10㎜程度で、ほかのメーカーのシャローよりは小さいほうです。
また、ブラケットから下ハンドル末端までが開いた、いわゆるフレアハンドルです。
図面上の測定では大体15度程度の開きがありました。
幅ですが、カタログの測定値が下ハンドル末端なので、
最近のブラケット測定でのサイズは、カタログサイズから-30mm程度になります。
よって私の420㎜はブラケットサイズで390㎜程度です。
まとめると、
リーチは長く、幅は狭く、ドロップは深く、奥の位置を握れる丸ハンドル、
という4つ要素が組み合わさった、今では数少ない形状の貴重なハンドルです。
ちなみに無印とSSBの違いは、重さ(≒硬さ)とステムクランプ径です。
無印は軽く衝撃吸収性が高くやわらかめで、クランプ径が25.4なので、
スレッドステムのランドナーやクロモリロード向けの古典的な仕様です。
SSBは重い分、しなりが少なく硬めで、クランプ径が31.8なので、現代のアヘッドステムのレースバイクにも対応した仕様です。
というよりは、スレッド向けのハンドルじゃ新規ユーザーに売れないから
無印を現代のレースシーンにも対応できるような強度を持たせ、
シムをかまさずにアヘッドステムにつくよう31.8にした上位のSSBを作りました、と考えるのが正解です。
上ハンドルについた「heat treated」の赤帯がSSBである証拠です。
ほかのモデルも共通です。
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取り付けた図です。
横から。
ステムが水平でベタだからか、カーボンロードとシャロハンの組み合わせにしては結構似合ってると思います。
ブレーキレバーの末端と、ハンドル水平部がピタっとそろうのが好き。
斜め後ろから。
赤帯が主張する日東のブランド。
※使用半年後の追記です。
赤帯くんは日焼けして微妙にピンクがかった銀帯になりました。
ちょっと残念です。
一人称視点はこんな感じです。
全体。
すこぶるすこ。
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そもそもなぜこのハンドルを選んだか、ですが、
私の乗り方はおじぎ乗りという、骨盤前傾型で背中をまっすぐに乗る乗り方です。
おじぎ乗りをより深く、低く遠くするため、ステムで前方向を伸ばしてごまかしてきたけど
ステムで水平方向にも鉛直方向にも低く遠くできる限界がきたから、です。
ハンドルの話なので、ポジションの話は別でまた書きます。
あと長いステムにコンパクトは対比的に小さく見えてダサいからってのもある
乗り手の体力は平坦巡航30~35km/h程度はできる一般庶民よりちょい速いぐらいの並です
山から平坦巡航、スプリント、下りから街乗りまでオールラウンドに使用しました。
使った感想ですが、リーチが長くなった分、水平方向の窮屈さが解消されて非常に楽になりました。
ブラケットまでの肩下がりが、手首を綺麗に収めてくれて、肘を低くするエアロポジションがとりやすくなりました。
また、コンパクトと違い、下ハンドルでも低く遠い位置を握れるので、より深い前傾が楽にとれるようになりました。
しっかりハンドルを握ったまま、ブレーキレバーに手がかけられるようになったのもよいです。
ロングリーチハンドルは、奥まった位置を握ると手首がハンドルの肩にあたったりすることがありますが、
フレア形状のためかそれも起こらず非常に満足です。
ある一点で握りやすい、というような位置がないのが丸ハンドルですが、
逆にどこでも握れるため、ポジションの選択肢が増えたのがよかったです。
重量的には純正ハンドルより重くなりました。
しかし、ステムとリーチが長い分「てこ」が働くので下ハンドルを持ってもがいても振りの重さは感じません。
むしろ純正より硬くしならないので、力が伝わってる感じが伝わってきます。
非常に気に入りました。
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タイトル回収タイム。
NITTOの魅力は、
それぞれのジャンルに必要な性能を理解している点と、
スペック上の数字や文言だけの性能ではなく、実物の精度と形と使い勝手で示せる技術力と堅実さ
だと考えています。
競輪向け製品や、今時のコンパクトハンドル、街乗り用フラットバーまで製造している日東ですが、
それぞれの形状ごとに必要な硬さや形状を理解している点に長年のノウハウが詰まっているなと感じます。
それは、カタログの寸法通りの形状をきちっと出せる技術力を持つNITTOだからこそできる良さです。
ただ、φ31.8のアヘッド向けの製品が少ないな、と思います。
そもそも今時の自転車につかないと売れないですよ。
せっかくいいモノつくるのに。
インターネット時代に山ほどあふれる製品の中で、
数字やカタログスペック、価格以外で勝負ができないハンドルはダメなモノとする風潮が強い気がします。
NITTOは日本の町工場製品らしく、web販売をせず、ショップのみの販売とする点も、下火になる原因でしょう。
NITTO公式がもっと発信してもいいのでは、と思う気持ちもありますが、それは町工場らしくないなとも感じます。
だからこそ、こういった情報が必要だろう、と思ってこの記事を書きました。
こんなクソ記事にたどりつく人ならきっと理解してくれるでしょう。
ぜひ、手に入れてその魅力に触れてください。
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公式サイト