貴重音源レビュー:AMADEUS | 俺のビジュアル道(笑)

貴重音源レビュー:AMADEUS

AMADEUS「冷えた心に闘争を」

 

1.冷えた心に闘争を

 

現在、Sethの名でMoi dix Moisのリードボーカルを執るほか、演歌歌手:美良政次としても活動するシンガーM.J.SEIJIが在籍したバンドAMADEUS。

キャリアをスタートさせたバンドAFTER IMAGEの盟友HIRON(Key)、MIYU(Ba)と共に、フルート奏者でボーカルでソプラノパートを担当するNENEを迎え、AFTER IMAGEで聞かせたドラマティックなサウンドを、さらに"シンフォニック"かつ"お耽美"に聞かせるバンドでした。

 

こちらは、2枚のアルバムをリリースした後に敢行した長いツアーの最終公演、2000年1月8日池袋CYBER(だったかな?)で配布したデモテープ。

 

AFTER IMAGEの頃は、Xを意識したようなアレンジでしたが、AMADEUSではギターを入れないスタイルでメタル色は薄れ、前述の2枚のアルバムには"火サス"の主題歌かと思うくらい'70年代~'80年代歌謡曲ぽいレパートリーが並んでいました。

 

そんな中で発表されたこちらの新曲(当時)は、そんな"火サス"ナンバーを、AFTER IMAGEの頃のようなメタルアレンジで聞かせてくる曲で、スピーディなサウンドをバックにSEIJIさん、NENEさんが朗々と伸びやかにボーカルの掛け合いを披露する緩急の付け方が美しく、これこそ耽美派ビジュアル系の究極形の一つと呼びたくなります。

 

バンドは、このライブ後、2枚のアルバムをまとめた「未完の五線譜と暗闇の迷宮」というアルバムをリリースしますが、「冷えた~」は未収録で、新たなアルバムを作るつもりではいたようですが、完成させることなく自然消滅に近い形で解散…この曲はFC会員向けにひっそりとCD化され限定配布されただけ…という、超レア曲になっています。

 

 

AFTER IMAGE初期~中期の頃は、声量不足で音程も不安定で、声質も相まって"ダメなジャニーズアイドルの見本"みたいな印象もあったSEIJIさんですが、AMADEUSでは覚醒進化を果たしてしっかりと耽美派ビジュアル系らしいボーカルを聞かせてくれる安心感も備えています。

 

耽美派の総本山、Moi dix Moisのボーカルに抜擢されたのは(Mana様が無名の新人を発掘する天才だったため、既に有名だったSEIJIを採用したのは)意外でしたが…

 

また、歌謡曲ぽいアレンジのAMADEUSの楽曲を聞いていると、SEIJIさんが現在演歌歌手としても活動しているのは、ある意味必然なのかもしれないです。

 

 

しかし、それらの活動より、当時の一ファンとして、SEIJIさんにはAMADEUSやAFTER IMAGEを一日限定でもいいから復活させてほしいなぁ…と切に願うのです。

 

誰か、HIRONさん探してきてくれません!?