貴重音源レビュー:Feria | 俺のビジュアル道(笑)

貴重音源レビュー:Feria

Feria「爪 ~a nail is stained with blood~」

1.爪 ~a nail is stained with blood~

名古屋の正統派ダークビジュアル系バンドFeriaが、初期編成(MOTOMI、Akihito、紫乃、RIN)の頃に作成・配布したデモテープ。

1stDT「氷の籠」リリース後に配布されたようですが、正式な日と会場は不明。
恐らく、100本程度の配布と思われます。


「氷の籠」の時点で、SEや語りを効果的に使い、同時期の新人インディーズバンドの中では、ビジュアルだけでなくサウンド面、楽曲アイデア等のセンスやアレンジ力、完成度は頭一つ抜けていた印象のあるバンドですが、こちらも「配布だけで終わらせるには惜しい」完成度の高い楽曲になっています。

語りにディレイをかけたイントロダクションから、浮遊感のあるリフ、さらに疾走感に乗せたメロディアスなギターリフへと繋げるイントロの展開だけで「おっ!」と思わせてくれます。

さらに、ゆったり歌いだすAメロから一転、シャウトの掛け合いが入るハードなBメロ、疾走感に乗せてキャッチーなメロディを聞かせるサビ…と、ダーク&ハード&メロディアスを順番に(しかも無理なく)聞かせる楽曲構成力はレベルの高さをうかがわせてくれます。

速弾きで一気にボルテージを上げ、メロディアスに聞かせるギターソロもなかなかテクニカルで◎。


この楽曲は、ベースの紫乃が脱退したライブ(か、新ベーシストとの最初のライブ)で「爪と十字架…」のタイトルで再録し、再配布されています。
そちらのテイクは解散後にこっそりとリリースしたベストCD「終焉の響き」でも聞けるのですが、最初に配布されたこちらのテイクはこのデモテープでしか聞くことが出来ません。

元々100本程度の配布であり、さらに、バンド自体が根強い人気を持っているため、市場にはなかなか出てこなく、出てきても「それなりの値段」で扱われることが多いです。

しかし、楽曲としては、正統派名古屋ビジュアル系のかっこいい所を詰め込んだような魅力を有しているので、オークションに出てきたときは、多少無理をしても聞いてみて欲しいです。


なお、配布テープですが、上質紙にしっかりと印刷されたジャケット、業務用テープにラベルがしっかりと貼付されているので、この手の配布テープでは真贋は分かりやすいです。