外食の多い私は、全国チェーン店の常連である。

今日は大森のマクドナルドで夕食を取った。他にもモスバーガー、ガスト、スシローによく行く。


本当の気持ちは暖簾を潜り、趣味趣向を凝らした個人店に入りたいと思っている。

そこで普段頼まないような日本酒を選び、鳥の刺身なんかを食したいのだ。


しかし私にはその勇気がない。

その個人店の店主がおしゃべりであっても恐ろしいし寡黙であっても恐ろしいのだ。

素の自分で外食を楽しむことは私にとって難しい。


その代わり、私はハプニングバーにひとりで行くことができる。他にもオリエンタルラウンジ(出会い居酒屋)にもひとりだ。

そこに行く時の私は『素』でないため、楽に行くことができる。


自分の中で設定が2つある。

ひとつは書道家である。もし会話の中で話さざるを得ない状況になった際、書道家は有力だ。

何故なら書道業界を知っている人が殆どいないからだ。作品作り以外は賞状の文章書きの仕事を請け負っていると言えばあまりにリアルである。

書いてとせがまれても断る。自分の筆でしか書かないと決めていると言えば良い。


もうひとつは鑑定士だ。専門は骨董品。理由は書道家と同じである。この前は博物館の期間限定展示イベントの壺を価値の高い順に並べる仕事をしたと言えば良いのだ。


今のところうまくいっている。


息をするように嘘をつける私だが、個人店の暖簾を潜ることはできない。

それほど店主が恐ろしいのだ。


ハプニングバーで店主と出会えれば万事解決なので、願いを込めて書道家は今日もゆく。