比較対照として
『ナチス・ドイツ』や『大日本帝国』ってのが出て来るが
別段、否定的に捉えてる訳でもなく、
また、肯定的に捉えてる訳でもない。
似てる部分、似て非なる部分があるよね、ってだけ。
まず、
中華人民共和国(長ったらしいから中共と略す)は
東シナ海・南シナ海・チベットなどを
『我が国の核心的利益』として掌中にすべく
あれやこれやと動いてる。
この『我が国の核心的利益』って発想は
『ナチス・ドイツ』の掲げた
『レーベンスラウム(生活圏)』ってのに似てる。
っつーかそのまんまやな。
ナチス・ドイツは『レーベンスラウム(生活圏)』という
思想・政策によってドイツ系住民の住む対外地域を併呑し
自領を拡大していった。
…帝国時代の旧領回復という要素もあるが。
ドイツ系住民が住む地域とはいっても
それと同様に他民族も居住してるんで
この他民族との共存も図るし排斥も行う。
他民族との共存って部分では『アーリア人種』という
今日では科学的に曖昧なモノに拠って
協調性・画一性を見出し政策に反映させた。
アーリア人種ってのは狭義では『イラン』周辺の民族。
広義に於いては『インド・ヨーロッパ語族』となる。
このアーリア人種ってのは『アーリアン学説』として
無理繰り定義づけされ、
英国のインド支配の為に利用された面の強い学説でもある。
排斥対象となったユダヤ人に関してだが、
ユダヤ人ってのは血統に依拠するものではない。
ユダヤ教徒=ユダヤ人なんである。
ユダヤ人の歴史ってのは複雑っつーか難解。
血統的に捉えれば中東のヘブライ人になるんだが
前提としてユダヤ教徒という条件がつく。
そして前述したように
ヘブライ人でなくともユダヤ教徒であればユダヤ人である。
このヘブライ人、そもそもが移民なのね。
イラク南部から
地中海とヨルダン川・死海に挟まれた地域一帯(カナン)
に移住してきた遊牧民。
そして古代エジプト王国の勢力拡大を受け支配下に置かれ、
エジプトに集団移住。
後代『モーセ』が現われ、
集団出国、故地であるカナンにて独立する。
独立し王国を建てるも、後にイスラエル王国とユダ王国に分裂。
イスラエル王国はアッシリアに滅ぼされ(失われた十支族)、
ユダ王国も新バビロニアに滅ぼされる(バビロン捕囚)。
このバビロン捕囚の頃合にユダヤ人という名称が出てきた模様。
その後、ペルシアの台頭によってユダヤ人が解放。
その後イロイロあったけど
ローマ帝国の版図になり一定の自治を獲得。
この頃からローマ帝国版図内への移住が活発になった模様。
その後、中東のユダヤ人自治集団は
ローマ帝国に反旗を翻す(ユダヤ戦争)が、
ことごとく鎮圧され、自治権を失い、
諸々の規制を受ける事になる。
中東域に居住し続けてきた
ユダヤ人の集団は『イシューブ』と呼ばれる。
中東以東の集団は『ミズラヒム』。
南欧・地中海沿岸域の集団は『セファルディム』。
そして東欧・北欧では『アシュケナジム』となる。
よくまぁこれだけ拡散したもんだと思うが
ローマ帝国の版図に散らばり
それぞれに定住していった交易集団であろう。
が、信教集団である以上、
その土地に根付いた価値観との相違・軋轢ってのはあるもんで
それが『迫害』という結果を生み出しもする。
特に東欧域の『アシュケナジム』に対する迫害ってのは激しく
ヒトラーの登場以前から『ポグロム』と呼ばれる
迫害が続いてきた。現在でも根絶されたというものでもない。
ま、気候が厳しく居住域が限られる地域に於いて
移民という存在は受け入れ難いというのもあるだろう。
んで、ヒトラーのナチス・ドイツに話を戻すと
『レーベンスラウム(生活圏)』の確保という政策の下
ドイツ系住民のいる地域を領国化し、
その地に住む他民族を『労働力』としたり、
域外へ退去させたりしてた。
対象となったのは『ユダヤ人・ロマ人・スラブ人』である。
スラブ系であれば東方に追いやればスラブ系国家がある訳で
多少は融通が効いたであろう。
まぁ結局はスラブ系国家との対立になるのだが。
が、ユダヤ人・ロマ人ってのは民族国家が存在しないんである。
他国に放逐しても、放逐先の国家から恨まれる。
対応策として労働力としてこき使う為に収容所に入れ、
資産構築が出来ないようにした。
その成れの果てが
『強制収用&大量殺戮』といわれるが
この点に関しては疑義も出てる。
第一次大戦以降、この移民流入は困るという状況は
疲弊しまくった欧州各国、皆同様なんである。
移民によって成立した米国の場合、
居住域に余裕がある事や国力増強の為に
労働者や資産家の移民を受け入れるのが
国策として適ってたが。
それは兎も角、『中共』への比較材料として
ナチス・ドイツの行ってた
『レーベンスラウム(生活圏)』の確保という政策と
迫害されてきた民族『ユダヤ人』について、長々と書いてみた。
一方、中共の場合であるが、
そもそもが多民族国家である。
この多民族国家をまとめる為に用いられてるのが
『中華』という概念。
この概念に従うモノが『中華民族』という感じであろう。
身長の末期頃から
域内に於いて自主的な移住ってのも行われてきてもいるが
『客家械闘』と呼ばれる
在地住民との対立を度々繰り返している。
この客家という存在、
国外に飛び出したのが『華僑』となる訳だの。
一方、中共では『中華民族』を定着させる為に
イロイロやってるようだが
国内の軋轢が増加してるだけのようにも映る。
地域に根差す民族性を薄めようと
この『客家』の存在を肯定的に捉え、
そのあり方を政治的に流用して
土着の民俗性を弱め、
域内諸民族を『中華民族化』しようとしてるようだが、
却って治安の悪化を産み落としてるだけのような。
元来の中華圏に於ける諸民族であっても
対立が顕在化したのに
それを
チベット・ウイグル・南モンゴルといった
占領域に於いて大々的に促進し
現地住民を迫害、中華化しようとしてる訳よね。
つまり中共の政策ってのは
ナチスドイツの『レーベンスラウム(生活圏)』による
領域拡大政策に近似してると思うのよ。
そして中共は
これら国内移民政策に抵抗する現地住民を
『テロ集団』として弾圧してる。
中共への抵抗者として逮捕されれば
その後の命運は風前の灯。
五体満足は期待できないであろう。
一時期、日本国内を巡ってた『人体の不思議展』。
アレで展示されてるのが
こうして中共に逮捕された人々だという噂もある。
ナチス・ドイツの場合、
ドイツ系住民のいる地域を領域にし
移民や他の民族を国外に追いやって
ドイツ系住民の優位性の確保を図ったようにも思える。
最終的には
スラブ系民族(ソ連)との対立が顕在化し敗退した訳だが。
中共の場合は
そもそも中華民族ってのが定義されとらんので
領域拡大の大義名分には使えない。
チベット・ウイグル・南モンゴルはそもそも
独立国家でもある。
第二次大戦後のドサクサで
中共が侵略・併呑しちゃった。
ウイグルは『核実験場』として蹂躙され
チベットや南モンゴルは
『中共幹部の勲功稼ぎの場』として蹂躙されとる。
そこに中共人民を流入させ、
土地柄を無視した近代化を推進してるのが今の状況。
近隣を植民地化してる訳よね。
しかもその土地の文化を否定し
『中華民族化』を推進してる。
こう書くと
戦後教育で言われてる
大日本帝国の『皇民化政策』のようにも映るが
『土俗文化の否定』ってのは
『近代化にそぐわない
非衛生的な迷信的習俗』に於いて為されたもので
信仰やら個人名やら文字といった
文化の根幹を否定してはいない。
文化財の保護とかもやっちゃってる。
『皇民化政策』の善し悪しは
当時その教育や政策を経験した者にしか判断つかんし、
それを否定的に捉える地域・肯定的に捉える地域と
様々なんで一概にどうこう言えるものでもない。
肯定的に捉える地域がある以上、
そこまで卑下したり自虐的に見ることも無かろう。
価値観が異なる集団とは
進んで深く関わらんほうがいいという教訓。
んで、
いまの中共の行ってる
『中華民族化政策』ってのは
悉く土着文化を否定しまくってるのね。
文化大革命を占領地で行ってるともいえる。
これは大日本帝国の行った『皇民化政策』や
『新規領土の近代化』ってのとは趣きが異なる。
そもそも建前であれ
『大東亜共栄圏』や『八紘一宇』と掲げてた以上、
排他主義は採れないんすよね。
この流れで『五族協和』の満州国建国でもあるし。
・ナチス・ドイツの場合、排他主義・隔離政策。
ロマ人・ユダヤ人への虐殺は諸説あるので何とも言い難いが
事実であれば
国策として行われた以上、弁解の余地の無い蛮行であろう。
・大日本帝国の場合、宥和主義。
が、コレを受け入れ難い国々(中共・韓国)からは
真逆な事にされて非難囂々。
・中共の場合、宥和に見せかけた民族浄化。
中共の掲げるスローガンは
大日本帝国やナチスドイツの流用とも思えるが
やってる事は凄まじく悪辣のように映る。
美辞麗句で着飾って醜悪さを取り繕うってのは
共産系国家の得意技であろう。
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