ロシア大統領、ウクライナ国境付近での軍事演習を指示
AFP
シンガポールと軍拠点設置で協議 ロシア
「プーチン戦略」中南米にも
MSN産経(共同通信配信記事)
んー、ウクライナの不測の事態への対処と共に
世界各地の要衝へ拠点構築のアプローチですかな。
米国が覇権を放棄した結果、それに代わる存在として
『擁護者としての存在感』を示すことで
ロシアが存在感を増して来た。
米国や中華人民共和国のような強圧的な態度ではない。
かなり強かである。
特にシンガポールへのアプローチというのは
日本のシーレーンの安全保障にも絡む問題。
であるが、ロシアのプーチン政権とは
北方領土の問題解決に関しての折衝や貿易・経済関連を含め
外交を密にしている。
昨年11月には日露双方の外相と防衛相が出る2+2の会談も行ない、
安保協力の拡大で意見の一致をみてもいる。
そして先日の日露首脳会談。
概要が外務省のサイトにて発表されてるのだが…。
>日本が「積極的平和主義」の立場から
>地域と世界の平和と安定に
>これまで以上に積極的に貢献していくに当たって
>ロシアは重要なパートナーである旨述べた。
>その際に,同席の谷内国家安全保障局長を紹介した。
>プーチン大統領は,大きく満足気に頷きながら聞いていた。
ロシアがシンガポールに拠点を確保できた場合、
安倍首相の掲げたセキュリティ・ダイヤモンド構想、
太平洋~インド洋の安全保障の補完材料にも成り得る。
というのも
日本がセキュリティ・ダイヤモンド構想で主要国として位置づけたのは
ハワイを有する米国、豪州、インド、そして日本である。
太平洋上の島嶼を有する
英・仏も含まれるが、この両国は本土が遠過ぎる。
フィリピンやベトナムは国力的に厳しい。
そんな状況下、インド洋と太平洋を結ぶ
マラッカ海峡を視野に入れるシンガポールに対して
ロシアが働きかけを行った。
シンガポールは華僑による都市国家であるが
英国連邦に属しても居る。
インド・ベトナムは双方共にロシアから軍備を輸入している。
この両国との連携を視野に入れてロシアが出張ってきたと思われる。
そして上記の日露首脳会談における
ロシアは重要なパートナー発言である。
となると
この海域の安全を脅かすのは中華人民共和国となるので
対中牽制の一翼を担う事になる。
名目上は『海賊対策』というところであろうか。
ま、中華人民共和国はロシアを友邦と思い込んでいるようだが
どうも現実は違うらしい。
ロシアは商売がしたいだけである。
米国が覇権を放棄した結果生み出されたこの状況、
日本としては米露対立を
顕在化させないような外交努力が必要となろう。
ぶっちゃけ
米国主導の安保体制が機能するのか危ぶまれてるからこそ
現出した事態である。
疑念が生じてる以上、
米国よりもロシアを優先と考える国が出ても不思議ではないし
日本の集団的自衛権行使が確立しなければ
先に述べたセキュリティ・ダイヤモンド構想も
単なる構想で終わってしまう。
日・米・露の協調が出来れば良いのだが
現在の米国民主党政権は外交音痴である。
中華人民共和国やその属国と化した大韓民国に対して
譲歩・妥協しかしとらん。
グルジアやシリアの件に見られたように
友邦の絡む問題であったとしても
他国の紛争・係争には極力介入しない方向性となっているようである。
ま、米国民主党は元来そういう性質の政党だしな。
米軍と米国民主党政権の現状認識の差も著しい。
というか、真逆といってもいいかも知れん。
とはいえロシアもプーチン大統領後の方向性が見当つかない。
ロシア政界は覇権主義的な人物が多いようにも映るしな。
日本とロシア、及びASEANとインドという感じで
新たな秩序が東アジアを起点に生まれるかも知れん。
将来的には
どの国がロシアの暴走を抑えられるのかってのも出て来るであろう。
日本も暴走しちゃイカン訳だしな。
なんとなく
西ローマ帝国系の世界秩序が瓦解していくようにも映る。
日本は国力に見合った防衛力と
友好国との協調を確立していく方向に進まざるを得んじゃろう。
グローバリズムの時代は過ぎ去りましたなぁ。
…感慨深い。
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