江戸城天守の再建に断固反対
なのである。
確かに
東京のシンボリックタワーとしては魅力的だし
経済波及効果が見込める要素もあるけれど、
それでも断固反対。
そもそも現存の天守台には
天守閣が建てられてなかったんだし
江戸城の天守閣は
本丸内で配置を変えつつ、三度建てられてる。
・慶長度天守
・元和度天守
・寛永度天守
これらの変遷を経て現存の天守台に至る。
確かに現存の天守台を構築するに当たって
天守閣の設計も行われていたと思われるのだが
その天守閣は
既存の天守台の高さを更に『一間半』程
高く積み上げる必要があると思われる。
更に天守台の石垣自体を
建造物の重量に耐えられる強度のものに差し替える必要性も。
現存天守台は
『天守閣を建てない』
『石組み構築物としての見映え優先』の代物。
江戸城天守の復元とするならば
既存の天守台の破棄にも繋がりかねず、
保科正之の示した
『天守閣を持たない統治者の居城』という
歴史的・政治的な事象をぶち壊す事になる気がする。
『天下泰平の江戸時代』を体現する現存天守台と
天守閣の無い江戸城こそが歴史的に価値のあるモノだと
個人的に考える次第。
本気で復元をするのであれば
先に述べた
・慶長度天守
・元和度天守
・寛永度天守
の何れかを建築された場所に建てる事が重要と思われる。
その場合、
現存天守台の破壊には繋がらないが
宮内庁が所轄している
江戸城本丸自体を大幅に改築する必要がある。
現存天守台に天守閣をというのは
歴史的価値観を理解しない営利目的な戯言としか思えない。
余り関係ないけど
以前、『維新志士の集合写真』とされるもの
(実は明治2年に撮影された『英語塾・敬遠館の若者達』というもの)
を見せびらかしてた
あるファストフードの社長を想起してしまう。
営利目的にナショナリズムを煽り
その事業を為すこと、提示することなどで名を売り、
歴史的・政治史的な事象を我田引水する行為には辟易する。
ともあれ、個人的に
江戸城の天守台は
天守閣が無い事にこそ価値がある
と考える次第。
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