ずっとずっと眠っていたような感覚に襲われる。

理性
自己
時間
充実感
生き甲斐
感謝
人との触れ合い
健康

ICUで眠っていた2日間で脳がリセットされたのか

今回の入院を機に、内服していた薬も一斉されて

最小限の内服になった。

麻酔から覚めたとき、自分の身に何が起こったのか

分からなかった訳では無い。

むしろ、全ての記憶があって自分が一番よく理解していた。

でも一番覚えていないのは、麻酔から覚めたときに

真っ先に誰の事を想ったかだ。

そして

僕はいつからおかしかったのだろうと振り返る。

考えても分からない。

でも確かなことは

ずっと孤独だった。

常に何かに餓え

それを薬や自傷行為で埋めていた。

その孤独に拍車を掛けるように、親友達が立て続けに結婚していった時は心底哀しくて、心からお祝いできなかった。

そんな自分も全部嫌だった。

4月末に引っ越してから環境がガラッと変わって

自分の限界に気付けず

今回のような大変な事態を招いてしまった。



父の期待に応えていた1ヶ月だった。

家事をやるようになり

日中に布団に居ることもなくなり

毎日毎日、あり得ない量の運動をするようになり

それでも、食事を3食美味しく摂れるようになったのが何より嬉しくて


でも、でも

よく泣いていた。

期待に答えていたけれど

心底喜べる日は少なかったように思う。



本当は毎日毎日、常に身体が苦しくて

倒れる直前の数日は、集中力もなく、洗濯物を干す順番すら考えられなくなっていた。



"普通になりたい"

毎日そう願っていた。


きっとあの日

救急車を呼べなければ

あのまま僕は家で死んでいただろう。

そして

この入院生活がなければ

またこうして文章を書くことも

小説を読むことも

娯楽を楽しむ事も

人との会話も

そして心の回復も。

できなかった。



退院したら

やらなければならないことも

整理整頓しなければいけないことも

会わなければいけない人も

感謝を伝えなければいけない人も


仕事も

まだ沢山残ってる。


もちろん、最優先に考えなければいけないのは

再発予防。

今回の診断名は、おそらくだが

「運動誘発性脱水」

ネットで文献を調べているが、なかなか無い。

退院したら、備忘録として自分の症例をここに遺そうとは思っている。

失っていた時間を取り戻したい。


追憶の中で僕はそう願う。