両国回向院には様々な動物の慰霊碑があります。

その中で、三味線の皮に使われる犬猫を供養するため義太夫協会が建立したのが犬猫供養塔。三味線業界の犬猫供養は、野犬駆除業界とは別途に開催されていたんですねえ。

建立時の記録が出て来たのでご紹介します。

 

豊澤雷助、豊澤猿蔵兩氏肝煎りの三味觀世音、犬猫供養塔建立祝賀並に入佛式といふ風變りな式が舊臘十四日午前十一時から東兩國回向院で盛大に行はれた。

同院住職本田浄嚴師を導師とするおごそかな入佛式の後、別席にて祝賀式あり、終つて雷助、猿蔵兩氏に手を引かれた斯界の大元老豊澤松太郎師の手に依つて供養塔の幕が除かれ、一同参拝して午後一時散會した。

参觀者は浄曲協會専務理事柳原義光伯を始め、因會、浄曲協會、大東京素義聯審査會、東都五十義會等各會代表者その他關係者約三百名に上り、頗る盛會であつた。

『東京市に出來た犬猫供養塔』より