生年月日 不明

犬種 シェパード

性別 不明

地域 千葉縣

飼主 陸軍歩兵學校→千葉縣警察部

 

千葉九日電話

千葉縣には近頃東京と同じく強盗横行し、警察官はこれが検挙に懸命であるが、千葉歩兵學校の訓練した軍用犬シエパードが捜査に特殊の技能を有するところから、同隊の拂下げに充つるもの三頭を同縣警察部で引受け、これを訓練して犯人捜査に使用する事となつた。

成績がよければ右シエパード犬を各警察部に使用させる筈。

中央畜犬協會『犯人捜索に軍用犬 千葉縣警察部で試みに使用』より 昭和4年

 

 

大正時代、警視廳警察犬係の萩原澤治警部から指導を受けていた陸軍歩兵學校軍用犬研究班。そこで磨かれたノウハウが警察側へフィードバックされたのは昭和12年の警視廳直轄警察犬制度復活時だと思っていたのですが、昭和4年には試行されていたと知ってビックリ。

ちょうど日本シェパード倶楽部と歩校が接近し始めた時期ですね。もしも千葉縣警察部で成果をあげていたら、満洲事変で実戦投入されるより先に犯罪捜査でシェパードが活躍していたかもしれません。そうなったら日本シェパード史も違う展開になっていたんだろうな。

残念ながら続報が無いので、この件の結果は不明。令和に入って早々、イロイロな発見(昭和の記録ですけど)があって嬉しい限りです。