◎シロ 菅原氏愛犬

◎タマ 瀬下氏愛犬

 

玉は過般横森氏の斡旋にて高田喜三郎氏より瀬下秀夫氏の手に移りたる逸物。土佐に於ては司と名乗り、若犬中で剛の者。流石は土佐の大関直太郎の子なりと云ふ丈あつて、體格と云ひ力量と云ひ、適れの武者振り。
白は犬軍中での大者にて俗に馬の子と云ふ綽名あるだけ實に偉大の體格。先づ常陸山に玉椿と云つた格である。
白先づ登場、續いて玉入る。双方立ち上るや白先づ玉の左腕に入る。一ト振二タ振解けて玉シロの耳に入る。何向き力量に於いて殆んど倍もある白のことゆへ、振りも撚りも利かばこそ、殊に玉少しく病氣上りとの事にて餘り疲れのない中に引分けた方が宜からうとの審判連の相談。
玉元氣相次第改めて今一ト戰ひの約にて。