昭和8年

 

飼主と共に、犬の世界も高齢化を迎えつつある昨今。このたび社団法人老犬ホーム協会が設立されるとの報道がありました。各地で増加の一途を辿る老犬収容施設も、これで情報共有化が質の向上がはかられることでしょう。

戦前の日本で老馬や老犬の収容施設を運営していたのは宗教家や動物愛護団体。とくに中心的な役割を果したのが日本人道會でした。同会のバーネット大佐夫人が帰国の際、その辺の事情についてインタビューを受けた記事もあります。

以前「酒井氏液第一號」を取り上げた際、日本人道會の家畜病院の存在を知ることができました。廃犬の里親探しも含め、動物愛護史は行政や獣医界との連携の歴史でもあるのです。

このような救済策があった当時の関東エリアはマシな方で、他地域の不要犬は「撲殺駆除→化製所→毛皮・肥料にリサイクル」の流れが一般的でしたけれど。