著者 山本正一
発行 朝香屋書店 
年代 大正4年

犬

大正初期、日本最初の警察犬運用マニュアルです。
ただし、内容は外国の教範を邦訳しただけのもの。残念ながら、警視廳探偵犬の実情などには触れられていません。
警視廳警察犬係の荻原澤治警部補による訓練の様子は載っていますので、日本警察犬史を調べる上では貴重な一冊です。

荻原さんの取り組みが警視庁内部で再評価されたのは戦後のこと。荻原さんの愛犬スター號(グレートデーン)の銅像は、昭和30年代になって警視庁舎内に設置されました。
その際「スターの主人である荻原警部の消息は不明」などと解説されています。昭和10年頃、交通事故で亡くなられたことは忘れ去られてしまったんですねえ。