米穀生産縣大分にも統制が強化されて、縣下の各市町村では米麦の切符配給制に成つて来たが、之れに先立ち支部では昨年七月支部長曾根崎大佐、幹事堤茂明、佐藤宗六の三氏は縣當局を訪問し、軍用犬にも米穀切符を配布される様口頭にて陳情して行つたが、更に具體的問題を陳情書に認め、佐藤宗六、東義夫、堤茂明の支部役員が十二月二十日縣廳に農務課長を訪問し、種々懇談の上、右纐纈縣知事(※纐纈弥三氏)宛陳情書を手交した。



軍用犬に米穀切符は云ふを受ける可く支部から昨年十二月縣當局に陳情書を提出したが、更に常任幹事佐藤宗六氏は一月十日縣廳畜産課並に衛生課の各主任技師に面談。
縣下三市並に消費の主なる町に於ては軍用犬の飼料難であるから速かに米穀配給を配布される様依頼した。

「飼料配給に就て」より

軍用犬への飼料配給元が「国」ではなく「各府県」であったこと
その可否を決定するのも、畜犬団体と担当部署との交渉次第であったことがハッキリと記されていますね。