訓練試験は昭和十年七月十三日本部に依つて基本訓練試験の第一回が行はれ、防衛訓練試験は昭和十一年十一月一日之又本部に依つて第一回の試験が行はれた。
傳令訓練試験は東京支部に依つて昭和十四年六月十八日第一回が行うはれ、警務訓練試験は昭和十五年十一月二十三日札幌支部に依つて第一回が行はれた。

そして今日迄訓練の進捗発展の原動力として本部並に各支部に依つて、数百回に亘つて行はれてゐるのである。
ではその合格犬はと云ふと、現在左表の如く各府縣に於ける分布状況を示してゐるのである。
此の表に依ると、東京を中心とする関東方面と、北海道方面が最も訓練が発達してゐる様に思はれ、関西方面は、犬の頭数の割合には、合格犬の多くを有してゐない様である。
又中國方面以西は訓練の発達が全然遅れてゐる事が観取せられるのである。

此の合格犬を、現在の登録犬数と比較する時、僅かにその〇.〇一%に過ぎない事は、今後まだ〃強力なる訓練の発達に心掛けなければならない事を痛感させられる。

本表に於て基本訓練とあるは基本訓練試験にのみ合格したもので、防衛、警備、傳令の三訓練試験に合格したものは除いてあり、防衛訓練とあるは次の合格犬の中に於て警務、傳令の二訓練試験の両方或は何れかに合格してゐるものは除いてある。
即ち防衛訓練とあるのは基本訓練と防衛訓練の二つを合格したもののみである。
警務、傳令に於ては両方に合格してゐるものは、両方に記載したのである。従つて此の場合にのみ、数頭の重複したものがあるわけである。
又調査月日は昭和十八年一月十五日現在である。

帝國軍用犬協會 昭和18年
帝國ノ犬達-訓練試験合格一覧

帝國ノ犬達-訓練試験合格一覧

帝國ノ犬達-訓練試験合格一覧

愛犬家の人口が多い東京は当然として、「フィラリアの無い島」北海道での飼育頭数が多かったことが分ります。
しかし、在郷軍用犬は登録数だけ多かったんですね。
試験をクリアした犬が0.01%とは。