これまで人力車や大八車の前曳を働いてゐた役犬(※輓曳犬のことです)は年額八十銭の畜犬税であつたのが、本年度から役犬税廃止となり、この鑑札を六月廿四日から廿七日までに全部返還した。
呉市内の役犬数は四百五十頭にのぼつてゐたが、これらはいづれも課税廃止とともに野犬となり、野犬狩の際に命が危ういことになり、役犬恐怖時代を出現せんとしてゐる。
なほ一般畜犬は従来通り年額二円の税金を課せられる。

「呉市の役犬税」より 昭和10年