「男の花屋って見たことありますか?」

佐藤さんに初めて会ったとき、そう聞かれた。

佐藤さんの将来の夢は、花屋を経営することだ。

「きれいなものが好きなんです。他の人がやってないことをやってみたい。」

そんな話が続いた。

佐藤さんは現在、40歳。

派遣会社数社に登録しており、酒の配達やオフィス移転などの日払い労働で収入を得ている。

だが、最近は年齢がネックになって、仕事が見つからないことが増えた。

佐藤さんいわく、日払いの仕事は、毎日見つかるものではない。

仕事が見つからなければ、路上生活を余儀なくされる。

家賃を払えなくなった佐藤さんも、駅の路上で朝を迎える生活が続いている。

「独身だが、いい人がいれば結婚したい。そのためにも、まずは安定した職につきたい。」

佐藤さんは、高齢者向けの非正規労働者の正社員化をサポートする求人広告で見つけた仕事だそうだ。

後日、佐藤さんから結果を聞いた。

「こないだの配達の仕事、ダメだったんだよね」

電話の向こうにいる彼の表情をなぜか想像してしまい、「男の花屋って見たことあります?」と聞かれた時の表情を思い出してしまい、切なくなった。

でも、何もかけてあげれる言葉を思いつかなかった。

給料を日払いで要求したことが、不採用の理由だろうという。

会社側は、月払いの契約を望んでいた。

だが、彼には給料日までの一ヶ月を無給で過ごす余裕がなかった。

佐藤さんに限らず、日払い労働で過ごす路上生活者たちは、誰でもそうであるという。

「月払いの仕事を見つけても、家事・洗濯もできないし、給料が出るまでの一ヶ月がとにかくきつい。結局、日払いで生活をつないでしまう」

佐藤さんは運送会社で仕事をしていた。

あまりにも過酷な肉代労働で、三年間で自ら退職を申し出たそうだ。

「朝7時に出勤し、終わるのは深夜12時過ぎ。30日連続で勤務したときは、手取りで32万円になったが、休めないことがつらかった」

という。

「いつか花屋になりたい、いつか結婚したい、という夢がかなえられるとは正直思っていない。しかし、そう言い聞かせ続けないと、自分が自分でなくなってしましそうで怖い。」

そう、最後に佐藤さんが言った。

正直、自分は派遣村などは反対だった。

来月切られて、住むところがない。

よくテレビで当時やっていた派遣の人達が言っていた言葉だ。

じゃあ、切られるってわかってるなら、バイトしろよって思っていた。

コンビニでもなんも、外食なんかいつでも募集している。

時給900円だっていいじゃないか!

本当に苦しいならバイトしろよって思っていました。

しかし、佐藤さんの話を聞き、今の企業は海外への募金などさまざまなこをしている。

自分もできればNPOも立ち上げ、お店であげた利益を使ってさまざまな事をやりたいと思っていた。

そういう活動にはさまざまな企業側の思いがあると思う。

社会的評価や本当に人のためになりたいなど、活動する人それぞれによって最終的な目的が違います。

今の自分のできることで、社会貢献といえば、大企業に成長させ、少しでも多くの人を雇用することだなって思いました。

そして、佐藤さんの夢である花屋。

あきらめないで絶対に叶えてほしいなと思いました。


自分も負けずに頑張ります!!!!