<派遣労働者>07年度は最多の384万人 賃金は10%減
<派遣労働者>07年度は最多の384万人 賃金は10%減
12月26日20時42分配信 毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081226-00000136-mai-soci
厚生労働省が26日公表した07年度労働者派遣事業報告で、派遣労働者とし
て働いた人が過去最多の約384万人(前年度比19.6%増)に上ったことが
分かった。派遣事業の売り上げは19.3%増の6兆4645億円と伸びた一方
、04年から集計している派遣労働者の賃金は10%近い減少で過去最低となっ
た。労働者派遣法の改正案ではマージンの上限規制は盛り込まれなかったが、マ
ージン規制論議も再燃しそうだ。
【東海林智】
労働者派遣を行った事業所の報告書をもとに集計。事業所数は事務や軽作業な
どの「一般派遣」が2万95カ所、通訳など専門職常用派遣の「特定派遣」が3
万14カ所の計5万109カ所で、前年度比19.4%増だった。派遣を受ける
派遣先は約127万件(47.6%増)で、特に一般派遣は119万2252件
(51%増)となった。
労働者は▽長、短期の契約を継続する派遣労働者74万1644人(14.9
%増)▽日雇い派遣を含む期間が短い登録者279万5999人(19.3%増
)▽特定派遣の労働者30万3192人(37.4%増)--だった。
一般派遣で派遣先が派遣元に払う料金(8時間換算)は平均1万4032円で
、前年度比9.9%減だった。件数が増加したため派遣会社の売り上げは増加し
たが、派遣労働者が受け取る賃金は一般派遣が9.8%減の9534円と1万円
を割り込み、特定派遣も7.9%減の1万3044円となった。料金低下分が賃
金にそのまま反映した形だ。
派遣期間は新旧二つの様式に分かれた報告だったが、日雇い派遣を区別しない
旧様式で報告した事業所では、3カ月未満の短い派遣契約が93.6%(前年度
81.8%)を占め、不安定な短期契約が拡大していた。また、新様式で報告し
た事業所(48%)では、日雇い派遣労働者(30日以内の短い契約)は4万3
222人と初めて数字が出た。
派遣労働を巡っては、日雇い派遣を中心に、大手派遣会社による違法派遣や二
重派遣が問題になり、日雇い派遣最大手だったグッドウィルが廃業するなどの事
態を招いた。厚労省は、日雇い派遣の原則禁止などを盛り込んだ派遣法改正案を
提案しているが、マージン規制がなく、派遣先の責任も問えないことなどから見
直しを求める声が出ている。