年越し派遣村と越冬ホットライン。
年越し派遣村と越冬ホットライン。
<a
href="http://www.magazine9.jp/karin/081224/
">http://www.magazine9.jp/karin/081224/
</a>
<table width="600"><tr><td width="15"></td><td> 12月31日から1月5日
にかけて、東京都内に<a
href="http://mutokyo.blog57.fc2.com/blog-entry-39.html
">
「派遣村」</a>が出現するらしい。
場所は霞ヶ関、日比谷周辺で、「派遣切り」を受けて住む場所をなくした人た
ちに対しての緊急食事対策、住居対策が行われるという。
「派遣村」実行委員回の告知文にはこうある。
「『派遣切り』により数十万人規模の派遣労働者が仕事と住まいを奪われ、帰る
家のない大半の派遣労働者がホームレス状態に追い込まれようとしています。
雇用促進住宅等への入居が進められていますが、住まいを奪われる数十万人の
受け皿としては圧倒的に不足しています。
また、『派遣切り』による解雇が集中する12月31日及び直後の退寮日(1月
1日~1月4日頃)は、相談窓口になるハローワークは開いていません(後略)」
ということで、「派遣村」実行委員会は、年末年始にかけて家を失った人々の
住居対策、食事対策に乗り出すのだ。今現在、家がない人、また年末に契約を切
られてしまい行き場がない人などは、ぜひ「派遣村」を訪れてほしいと思う。詳
細についてはこれから発表されるが、事務局は全国ユニオン。電話番号は03一
5371一5202だ。
またフリーター全般労働組合は12月24、25日にかけて「越冬・ホットラ
イン」を開催。時間は10時から20時まで。「契約期間が残っているのに仕事
を切られた」「契約更新を拒否された」「寮(アパート)を追い出されそう。また
は追い出されて行くところがない」などの相談に応じる。主催は<a
href="http://etto.cocolog-nifty.com/
">
「不安定な仲間の生活を支える越冬実行委員会」</a>。電話番号は03一337
3一0180だ。
私の周りの労働/生存組合の人々は、現在、本当に見ているだけで頭が下がる
ほどフル稼動し、ほとんどがボランティアにもかかわらず、睡眠時間や身銭を削
って派遣切りなどの目に遭った人々がホームレス化しないよう、活動している。
本当に、過労で倒れてしまうのではないかと思うほどに。そんな人たちの姿を目
の当たりにしていると、何もしてない自分が恥ずかしくなって、自分も何かしな
くちゃ、という気持ちになる。できることはタカが知れているけれど、だから私
も派遣村に手伝いに行こうと思っている。
しかし、状況はやはり相当に厳しい。いたたまれない事件も起き始めている。
例えば12月16日には派遣の仕事がなくなった35歳の男性がコンビニで現金
を奪おうとして強盗未遂で逮捕。4万円の家賃を3ヵ月前から滞納し、所持金は
9円。11月に派遣社員として働いていた運送業の仕事がなくなり、仕事を探す
もののどうにも見つからず、水だけ飲んで暮らしていたという。(asahi.com
08/12/16
共同通信08/12/16)
また、12月22日には36歳の男性が「悪さをすれば逮捕され、食事にあり
つけると思った」という動機で三重県伊勢市の公用車を傷つけ、逮捕される。男
性はネットカフェや公園などを転々とし、所持金は183円。「逮捕されれば食
事も布団も手に入り、正月を過ごせると思った」と話しているという。(asahi.com
08/12/22
共同通信08/12/22)
一体どこの国の話なのかと耳を疑いたくなってしまう。「刑務所の福祉施設化
」が指摘されて久しいが、それはこれまで、高齢者や障害を持つ人々の話だった
。しかし今、寒さと空腹に耐え兼ね、ロスジェネと呼ばれる同世代の人々が「食
事と布団」にありつくために犯罪を冒している。しかも公用車を傷つけた男性に
至っては、「一般の車を傷つけると迷惑がかかると思い」、公用車を狙ったのだ
。なぜ、彼らがこれほどまでに酷い目に遭わなくてはいけないのか、まったく納
得がいかない。そして派遣切りを受けた人の中からは、既に自殺者が出ていると
いうことも聞いている。
福井県の東尋坊では「派遣切り」での自殺志願者が相次いで保護されているこ
とも報道されている。11月には派遣切りの4人が保護され、その中には所持金
が50円、100円の若者もいたという(毎日jp 08/12/13 読売新聞08/12/16)。
と、ここまで書いて、気付いた。今年最後の原稿なので、「2009年はどん
な世界になるのか?どんな世界を望むのか?」というテーマで書かなくてはいけ
なかったのだ。が、最悪の事態を前にして、「希望」をなかなか描けないでいる
。ただひとつ希望があるのは、今、自分の目の前に広がっている光景だ。それは
「貧乏人がお互いを助け合っている世界」だ。金もコネも時間もない中、本当に
私の周りのプレカリアートな人たちは、「なぜここまで?」というほどに「助け合
い」をしている。ボランティアで相談を受け、ホットラインを開催し、派遣村を
作ろうとして、様々な闘いを繰り広げている。
そんな「助け合い」の世界が、どんどん広がっていけばいい。貧乏人だけじゃ
なく、今そこそこ安定してる人たちや、いわゆる「金持ち」も、当たり前に助け
合う世界。「見て見ぬふり」をして「自分には関係ない」と切り捨てない世界。
なんでそんなささやかなことが実現されていないのだろう。
09年に望むこと。その前に、「年を越せない」人たちが、無事1人も凍死せ
ずに年を越せるように。それが私の精いっぱいの願いだ。
</td></tr></table>