広場句会 兼題:海の日プラス2=計3句
投句:7月15日午前6時から7月16日 兼題を含めた3句投句
選句:7月16日22時から7月17日22時まで 5句選 内1句特選を選評
秋月;投句
6. 海開き母の生れた海の家 2点
紀春特選; 母なる海、その海辺で生まれた母。私はその母の娘。私は紛れもなく海の子です。大きな懐に抱かれているようなスケール感のある心地よさ。
22. 海の日よ海大国のまほろばよ
29. 南風の波止子を待つ母の髪乱れ
秋月;選句選評
7. 海の日の漂流してるペンダント たくみ
秋月特選; ペンダントが漂流しているのは現実的ではないが、このペンダントには、今まで人間を引き立たせていたのに、捨てられ、漂流物もそう、要らなくなったら捨てられるゴミ、自分だけ良ければ良いという人間の勝手、強いては地球上の醜い争いにまで発展しているのに気付かない嘆きが読み取れる。
2. 海の日や鴨居に水兵服の叔父 峰月
秋月並; 叔父さんは、大東亜戦争もないことはないが海兵隊か、海兵隊か、海上保安庁の方なのか?鴨居に飾られた写真を誇らしげに詠む。
12. 海の日やひとり夕陽を追ひかけて 亀一
秋月並; 地平線に沈む夕日を連想するが、船に乗ってなくてもいい。明日へ向かって進む希望が窺える。
掲句の「夕陽」は「ゆうひ」とよんで十分に伝わりますが、俳句を始めたころ、俳句には「陽」ではなく「日」を遣うようにと読んだことがある。
「夕陽」は、「夕方の太陽」という意味の言葉です。西へ沈もうとする太陽及びその光を指す。一般的に「ゆうひ」とも読みますが、本来は「せきよう」と読み、「徐々に夕陽(せきよう)が陰ってきた」「夕陽(せきよう)を浴びて建物が輝いている」のように使われます。
元々「夕陽」の「夕」は「日」の下部が沈ん で歪になった日の象形の「タ」「日の翳り」。「陽」は、「太陽が地上に揚がる」象形から成り、「ひなた」「日」を意味します。厳密にいえば「夕陽(ゆうひ)」はないことになります。「夕日(ゆうひ)」との主な違いは、「常用漢字表にはない読み方である」という点。「日」とは違い、「陽」の正式な読みは「よう」しかありません。(ただし「せきよう」と読む場合は、公用文でも使うことができます。)
また、「夕日」は「沈む太陽そのもの」のニュアンスが強いのに対し、
「夕陽(せきよう)」はどちらかと言うと、「沈む太陽の光や、それによって染められた周囲の物」のニュアンスが強い点も、両者の違いに挙げられます。
掲句を「沈む太陽の光や、それによって染められた周囲の物」も含めて「海の日」だからいただきました。
20. 海の日や襁褓外れし五歩六歩 裕子
秋月並;おむつがとれて五歩六歩。あんよが上手である。海の日へのお祝い手土産である。