今から4600年前、エジプトには大王国が建国され、多くのピラミッドが作られた。古代エジプトの都であるメンフィスを中心に80のピラミッドが集中している。
古代エジプトでは王は死後も太陽神になり永遠に生き続けると信じられていたため、ピラミッドは墓、死後に生活する住まいとしても考えられていた。そのため生活用品も埋葬されている。
1、大ピラミッド (カフラー王)
表面は磨かれた石灰岩の化粧石でおおわれて太陽の光で白く輝く仕掛けになっていた。頂上には金を貼り付けたキャップストーンが積まれていた。
4つの辺はほぼ正確に東西南北に対応しており、太陽や星の位置で方角を割り出していた。
2、スフィンクス
顔は王、体はライオンの形をした想像上の動物で、ピラミッドの守り神として設計された。太陽神を信仰していたため顔は太陽の昇る東を向いている。全長は74mあり、高さは20mある。
ヒビが入るなど風化が激しい。さらに鼻が欠けている理由としては風化で崩壊した点と軍隊の射撃訓練の的にされた過去があるからである。
ピラミッドには種類がある
起源はマスタバと呼ばれる日干レンガで作られた直方体の台のようなものとされ、これが次第に変化して三角形の形に変化したといわれている。
1、初期ピラミッド
4600年前にジョセル王がマスタバを6段に積み上げて建設した初期のピラミッド。世界最古の石造建築物とされ、階段は王の魂を天に導くためのものとされる。
2、崩れたピラミッド
スフネル王が作ったといわれる。かつては表面が美しい石で覆われていたが、現在は石が崩れて内部の8段ピラミッドがむき出しになっている。
3、曲がるピラミッド
実はこのピラミッドは屈折している。スフネル王が作らせたものだが、建設途中に地盤が緩んでしまい作業に支障が出るため傾斜を変えてピラミッドの重心を変更している。
ピラミッドの中を探検してみよう
230万個の石を積み上げて作られたカフラー王のピラミッドは内部は迷路のようになっている。中を探検してみよう。
1、ピラミッドの入口。完成時は石で塞がれて見えないようにしていた。現在ここから入れない。
2、820年頃にイラクのアルマムーンが財宝を探すために穴を開けてトンネルを作った。観光客はここから入ることができる。
3、泥棒が侵入できないように赤色花崗岩の3つの巨大な岩で塞がれていた。今は解除されている。
4、急な下り坂で地下の間に続いている。
5、地下の間。地面を掘って作ったため部屋というよりかは洞窟のような空間になっている。
6、狭いうえに急な上り坂になっている通路。
7、王妃の間。石灰岩で作られた美しい部屋。
8、特になし。
9、長さ50m、高さ8.7mの巨大な大回廊。左右の壁は上に行くほどせり出した構造になっている。石の重さを分散して潰れないようにしている。
10、ファラオの間。巨大な花崗岩を張り巡らせた部屋には金銀財宝が保管されていたが、現在は盗難されていて壊された石棺以外は何もない。
11、ひかえの間。低い入り口に中に巨大な石を3つ配置して泥棒の侵入を防いだ。現在は外されている。
12、秘密通路。
ピラミッドはどうやって出来た?
まず水平な壁を作ってその中心から星を観測して北の方角を決め、それからピラミッドの一辺を北に合わせて位置を決める。
ピラミッドを建てる位置が水平になるように地ならしし、そして玄室 (王の棺を置く部屋)と、そこへ繋がる通路を掘っていく。
石切場にて大人数で銅製のノミやノコギリを使って一つ一つ切り分け、石の凹凸をきれいにする。
下の段から順番に積み上げていく。石をそりに乗せて大人数で運び、上の段へ行くために斜道が作られ、横木をつけて滑りやすくしていたという。
世界への招待はいかがでしたか?
次回は南米ペルーの「マチュピチュ」へ招待します。