都会育ちの人は「青年団」とか「消防団」なんて昭和レトロで時代錯誤と思うはず。
でも、まだ田舎には脈々と受け継がれている。

私は以前青年団に入っていた。
というより地域の若い世代の人たちは半ば強制的に入会させられていた。

全員が幼なじみ。
相性の良し悪しはあるけど気心やそれぞれの家庭環境や頭の程度は周知されている。

「青年団」って「少年探偵団」ではない。
田舎では地域に住む青年によって構成された親睦団体組織で、
レクリエーションやスポーツ、旅行、社会奉仕などの地域活動を行っていた。

簡単に言えば小中学校の遊び仲間を組織化したみたいな団体。

私は小中学校では2クラスあったので、私が「青年団」にいた頃は

バレーボールをしても対戦できる2チームと補欠もいるくらいのメンバーがいた。

私は進学で青年団を辞めて、その後当時のメンバーも進学や就職、結婚とかで

古里を離れ、「青年団」はとうに自然消滅したのかと思っていたが、
古里に帰省したらまだ存続していた。

現在の青年団はメンバーが4人で40代が1人、50代が2人の男性3人だけ。
そんなの青年じゃないよね。
中年団?

しかも全員が未婚。

小中学校は廃校され最寄りの高校も通学は困難、地元に仕事はほぼ無い。

こんなとこ好き好んで嫁いで来る女性はふつういないはず。

なので「青年団」に限らず独身男性は多い。

私の頃は冬はスキーやスケート、夏は海水浴や釣りとかグループ旅行、

遠足みたいな活動をしていたけど今はおっさん4人。
何してんの?
愚痴を言い、傷をなめ合う酒飲みの会?

青年団はもう絶滅危惧種というか、今の時代に存在意義ある?



田舎には「消防団」もある。
消防団は親睦団体の青年団と違い、消防組織法に基づいて各市町村に設置される、

一般住民で団員が構成される消防機関。
年間数万円の報酬もあるらしい。

地域のあちこちに消防団のシャッター物置みたいな格納庫や防火水槽があり、

火の見櫓(やぐら)みたいなのもある。

格納庫内は見たことはないけど、おそらく昔風のポンプ車やホースがあり、
火災になれば消防自動車が到着する前の初期消火や人命救助などを

消防団が担っているのだと思う。

暴れん坊将軍のように火消しの「め組」が法被(はっぴ)を着て

屋根に上がって纏(まとい)を回すとか、

鳶口(とびぐち)や刺又(さすまた)で家を延焼しないように

家を壊してしまうとか、火の見櫓(やぐら)の鐘を叩くとか、

やけどをした人を大八車で運ぶとかバケツ消火リレーとか…、

そういうのはおそらく無いはず。

幸い地元に長い間火災が無いし、

そもそも消防団の予行演習も見たことがないけど、
聞いた話では体育会運動部のような厳しい上下関係があるらしく
隣の青年、というかヲタク系中年は昨秋退団したが

そういう人間関係的に辟易(へきえき)したのが主因らしい。

昭和生まれの人は
「地震・雷・火事・親父」
というのは聞いたことがあると思うけど、
地震や雷は火災が起きる可能性もあるし、何より地域は老人だらけ。

「集落居住者の半数以上が 65 歳以上の高齢者」
の集落を「限界集落」というのだけど、
私の住む地域はお墨付きの限界集落のはず。

80歳以上でも車を運転していて、免許自主返納は聞いたことが無い。
野菜苗など農業資材を売っているコメリやホームセンター、スーパー、

ドラッグストアなどは片道30分では行けないし、

コミュニティバスは1時間に1本もなく移動には車は不可欠。

組のゴミ集積場にだって車で捨てに来るくらい。

ウインカーを出さずに交差点を曲がるとか、

ウインカーを逆に出すとかウインカーと間違えて

ワイパーを動かすとかは愛嬌のうち。
電信柱に衝突とか水路に脱輪、農地に転落とかも時々ある。

 

犬散歩の時でもヒヤヒヤする時がたまにあり、

出来るだけ土手とか車が通らない道や迂回するようにしている。

杖や車椅子を利用したり在宅介護を受けている老人も多いから、

火災になれば逃げ遅れる可能性が高い。

おっさんしかいない「青年団」は消滅しても誰も困らないけど、
「人命は地球より重い(福田赳夫の名言)」

「消防団」も高齢化してるけど、消防自動車が到着する前の初期消火や

人命救助などを担う「消防団」は残してほしいね。