幼少期の終わりに出会う最初のエレジー越冬のツバメの赤い唇に吐く息の白 死にたいの声高架下タイヤの中でおやすみと囁きながら熊になる冬知り合って半年がたち毒蜘蛛のように愛せと仰った君泣きマネのマネは覚えたはずなのに まだ難しい切り離すには表情の硬い飛び出し人形に笑えと言われ背中押される無様にも靴は片方履いてない ナイキ22センチメートル繁華街見つけた靴の片一方 ひらがなの無い国の街灯ランドリー 回り続ける遺影にはホオジロザメの下手なイラスト
私の魂の在り処(西南の地)夏の香は滞留されし時の砂 母の生家が売りに出される黴臭い布団広げて動き出す 知りようもない記憶残して庭先の人工池の文明を侵す緑青(りょくしょう)花の反逆白昼夢 煉土の国の肌を持つ青年に逢い祖父の名を言う猩々の緋色水辺に咲く家屋ただ今は立つ工場の群れ