彼女の教える学校は県道から左折した細い道の
中程にある
細い道だけに、朝は学生がたくさん通るので
一般の車両は、通行が制限されている
彼女も「左折はできないよ」と僕に念を押している。
彼女をおろして、今日はまだ通ったことのない
反対車線をまたいだ、細い道に右折して迂回して帰ろうと思った。
ものすごく細い道だ
軽トラがやっと通れる。
しかし、新しいこの道を開拓すれば
彼女の送り迎えが少し楽になる
そう思って通ってみることにした。
すると、見慣れない光景が目に入ってきた
学校の校舎だ。
こんなところにも学校があったのか!
そう思いながら、坂道を下っていくと
その先の細い道を大勢の学生が通っている
右折してその細道に入り
交通整理をしている先生に挨拶しながら進む
なんと彼女が通ってはいけないと言った
その道に入り込んでいるじゃないか
一体どうしてこんなことになったんだろう?
自分の頭がここまでおかしくなった
くよくよしながら帰る
右折しながら左折道路に入るには
今来た太い道を横切らなければいけない
しかし、その道を渡った記憶がない。
今日の朝そのことを話すと
彼女は学校から僕の軽トラが入ってきたのを
目撃したそうだ。
どうして入ってきたのか不思議だったろう。
学校が終わって彼女を迎えに行く時
どうしてあんなに不思議な道なのか、もう一回通ってみることにした。
彼女を乗せて、右折して反対車線を渡って、その先の細い道に入る。
そしてどんどん進んでいく。
するとまた不思議なことが起こった。
目の前に彼女の学校が現れた。
彼女も狐につままれたような感覚になっていた。
どうして右折したら左折しなきゃ行けない学校の
前を通るのか?
彼女にも僕が間違ってその道を進んでいったのがわかった感じだった。
彼女に「僕がこの道迷い込んだのが、無理もないっていうことがわかったでしょう?」と言う。
僕の頭がおかしいんじゃないってことがわかってよかった。
「でも、右折しながら、左折の先にある中学校に行くには、太い道路を渡らなきゃならないんだよね。
でも渡った覚えがないんだよ。」
そう言いながら、その道に入る前に道路の上に橋が渡っているのを見たような気がしたの思い出した。
右折した先の細い道は、その橋だったのだ。
彼女は「橋なんかあったっけ?」
そう言って、まだ狐につままれたような顔をしていた。
右折してマンションの横の細い道を進んでいくとその道はすぐに右に曲がる
その時から橋が始まっていたのだ。
小さな橋で、渡った時に気がつかなかったのも無理は無いなぁと思った。
この道路設計は何なんだよと思った。
道路の入り口に小さな橋で県道の向こう側にわたりますと
予告してくれてれば親切なんだが。
びっくりを狙ったとしか思えない。