14日じいちゃんが仕入れから帰ってきた。

様子がおかしい。

車をバックさせて後ろのベンチに気づかず

ベンチに傷をつけてしまった。

「体中が痛くてたまらない。」

そう言い残すと自宅に戻ってしまった。

 

仕入れて来たものの品出しをすると

在庫があるものばかり

どうやら仕入れ先で体の痛みが激しくなって

仕入れどころではなかったのだ。

 

かかりつけの町医者に℡するが

もう診療時間は過ぎているという。

妹おばちゃんがいつも輸血を受けている東海大学病院に電話する。

看護師さんが「椎間板ヘルニアじゃないですか」

そう簡単な見立てをしてくれた。

しかし今着てもらっても病棟が混雑していて

いつみられるかわからないから日を改めてくださいという。

土曜日だから月曜日まで待たないといけない

 

月曜日レントゲンを撮る

しかし「骨には異常は見られないですね」と言う事で

「別の日にMRIを取りましょう」という事になる。

 

「動くたびに体全体にピキーと激痛が走るんだ

直立しているときは何でもないんだけど

少しでも体を動かして重力を感じると激痛が走る。

血液がものすごい速さで循環してるだろ。

それが神経に触れるたびに痛みが激しい。」

聞いていて気の毒だった。

 

昨日その結果を聞きに行く。

僕は風邪をひいて体がだるいので

妹おばちゃんに行ってもらった。

 

すると「圧迫骨折だって」とラインが送られてきた。

コルセットを作るという。

 

「直る可能性があるっていう事だ」

帰ってきたじいちゃんは勝ち誇ったように言った。

91だからね。これで治ればすごいなと思う。

 

よく杖を突きながら遅い速度で歩いている老人を見かける。

そうなる前は快活に動き回っていたんだろうな、

そしてある時じいちゃんのような悲劇に見舞われたんだろうな

そう感じた。

年齢を重ねて、ゆっくり優しく流れる時の流れに従って

体の動きも自然にあのように緩慢になったというわけではないんだ。

 

じいちゃんは「自分はああはならないと思っていた」そうだが

今回のことで考えを改めたという事だ。