近所のすし屋から段ボールをもらってくる。

いつもうちがもらい受けて

それをリサイクル工場へ売りに行く

じいちゃんが昔からやっていることで

僕も昔から手伝わされている。

 

仕事と言っても実に割に合わない

よくもまあ自分の息子に

こんな仕事を押し付けてきたもんだと思う。

積み方にも自分の考えたやり方があって

その通りに積まないとうるさかった。

もう一度崩して自分の思う通りに積み直す

もうそこまで行くとついていけなかった、

じいちゃんがもっと若い時の話だけど。

 

段ボールを保管する倉庫が満杯で

今日は朝から段ボールを積んで

リサイクル工場に持っていこうとしたけど

子供たちが駄菓子を買いに来るのを無視できなかった。

じいちゃんは老人会の合唱クラブだ。

 

夕方になって今日の分の段ボールを

お寿司屋さんからもらってくる。

倉庫には入らないから全部潰して

軽トラの荷台に平積みにしておくしかない

 

すると自転車で息子君が帰ってきた。

軽トラのそばに散乱した段ボールを見て

「これどうするの?」と聞いてきた。

「潰して荷台に積むんだよ」と言う。

珍しく「手伝おうか?」と言ってきた。

僕は「いいから、お前にはやる事(勉強)があるだろう。

進路を早く何とかしてくれよ」と言う。

 

しかし19になってようやく手伝おうかって

言ってくれたなと思うと

その一言の重みが大事に思えて

わざわざ家まで息子君を呼びに行って

「一人でやるより二人でやった方が早い」とか

言い訳を考えて手伝ってもらう。

 

丁寧に箱を潰しているから

リサイクル工場に持ってく段ボールだから

そんなやり方をする必要はないと

もっと要領の良いやり方を教えたけど

いつまでもやってほしくはない仕事だ。