店を開けてゴミ箱に溜まったゴミを裏のゴミ箱に集めに行く。戻ってくるとおばあさんが店のテーブルに座っていた。何か御用ですかと聞くと、切手が欲しいと言う。
切手か!わざわざ来られたのに申し訳ないなぁ。そう思いながらおばさんにすいません。「うちは切手の取り扱い 量が少ないからということで、郵便局から切手販売委託契約を解除されちゃったんです」と言う。
季節外れの日差しでなんとなく暑くなってきた。こんな時にわざわざうちに買いに来てくれたんだ。そこでうちに置いてある切手を、これで間に合えばと実費で分けてあげた
他にも何枚か欲しいみたいだ。とりあえずどうしても欲しいはがきの分を売ってあげる。しかしはがきの郵便料金がわからなくなった。おばあさんは53円だと言う。そこで藤の花の書いてある50円切手とうさぎの絵の入った2円、切手を2枚 実費で売ってあげた。
はがきの切手代って53円だけかな携帯があれば調べられるんだけどそう思いながらかがむとポーチから携帯が落ちた。あったんだ!大急ぎで調べると63円だ。
「おばさん、おばさんの切手代は53円じゃなくて63円だ!」せっかく投函したのに切手代不足で戻ってきたらかわいそうだ。あと10円出してもらって50円の切手を60円に変えてあげる。こっちも後悔しなくて済んで、ほっとした。
そのすぐ後にも切手を買いに来た奥さんがいた。「うちは切手売ってないんですよ」と断る。「実費で家にある切手をお分けすることはできるけどぴったりの値段の切手がありません。」「どこに切手売っているのかしら」と聞かれたから、「コンビニにあります。うちもそこに買いに行ってます」と教えてあげる。
切手販売をしていた頃の名残で、ポストが店の前にあるから、お客さんが切手を買いに来ちゃうんだよなぁ。断るのは大変でしょうがない。気の毒だし。どうして切手を売ることができないのかな?
販売量が少ないといっても、需要がないわけじゃないし、郵便局も小売店に下ろすだけなんだから、たいして手間にもならないだろう。郵便需要が少なくなって大変だと書いてあったが、こういうところで不便になるんじゃ少なくなるのも仕方がないよな