アカヤが来るたびに金魚が
また猫が来たヨ
あいつに水槽の水を飲ませるのは
止めてくれ
そう言っているような気がして
金魚のアカべーが気の毒だった。
アカヤにはちゃんと餌のお椀の横に
水を入れたカップも用意してあって
いつもそれを入れ替えておくから
何の問題もないはず
少なくとも僕はそう思っていた。
大昔の井戸掘り猫の習性か
いつもカップから水を飲むときは
その手前の地面を引っ掻きながら
飲みにくそうにして飲んでいてけど
大きな金魚の水槽ではそうすることもなく
ただかをを近付けて水面に下を差し込んで
ぺちゃぺちゃやるだけだから
飲みやすいのかもしれない。
しかし、アカべーの水槽は
それがどれだけ影響してるのか分からないが
水がかなり減って
苔が緑のカーテンになってしまった。
水を換えたいが
最近僕の手は受難続きだ。
去年の11月の終わりに左親指の
爪を根本から半分割ってしまう怪我をして
そうやすやすと水槽の水を
換えられなくなってしまった。
年がかわって
やっともうすぐ直るかなと思っていた矢先
ゴミ回収の収集車を逃すまいと
走って表に出たら躓いて
アスファルトの道路にペタッ!
自分でも信じられないくらい
両腕が反応してくれて
顔面とアスファルトの隙間に
ピタッと入り込んでくれたので
手のひらを少し擦りむいただけで済んだのだが
これしばらく痛むよなと
思った通りの展開になった。
それに関東南部でも今が一番寒い
金魚の水換えがますます辛い。
携帯で不要な写真を消していたらアカヤの写真が出て来た。
消さないで取っておこうと思って見てみたら
アカヤは何と言う種類のネコか載っていた
アメリカンショートヘアーだって。
今は亡きクロヤも色は違うが
アメリカンショートヘアーだったんだ。
もとは野良猫だし別に得したとも何とも思わないが
御先祖はアメリカから来たのかななんて考えるとちょっと楽しい。