同窓会の席決めはくじ引きだった。
ちょっとわかりにくいくじだったけど
簡単に振り分けるにはいい思い付きだ。
座席分の番号札を2枚ずつ作り
片方をそれぞれの席に置いて
もう片方をごちゃっまぜにした
袋の中から選ばせる。
それで選んだ札の番号の座席に付けば
最初から男で固まったり
仲が良かった者同士だけで集まったりと
しないで新しい関係ができるでしょうと
そう言う事かなと思った。
高校の時も一緒のクラスだった彼と
同じテーブルで久しぶりに近況を聞くと
やはりこの年になると健康の話。
なんと彼はくも膜下出血で倒れて
リハビリはいつもバスでうちの店の前を
通っていたという。
リハビリセンターでは数字板を前にして
こういうことを聞かれるんだ
それも毎回で嫌になっちゃったよと
「それはとても気の毒だけど
だけど○○ちゃんは楽しい青春時代だったじゃん
サッカー部のキャプテンで羨ましかったよ。
僕なんか小学校4年の時に頭を打って
そう言うリハビリをやったんだぜ。
僕も青春を楽しんでからにしてほしかった」と言う。
絵が大好きで写生大会では毎年証をもらっていたし
活舌も良くて朗読会にはクラス代表で講堂で本を朗読したり
ソフトボールではみんなより早く
レギュラーにさせてもらえるはずだったし
ドッジボールでボールを投げるのも得意だったし
掛け算の暗算はクラスで2番だったし
こういう才能がこれからっていう小学校4年の時に
全部なくなっちゃってまた1からやり直しだった。
でもそうとばかりも言い切れないんだよなと思う
人間の脳って成長段階の方がやり直しがきくんだよな
僕は9歳の時に事故に遭ったから退院するときには
かなり回復していたんだけれど
その時二十歳くらいで僕と同じような事故に遭った
お兄さんも入院していた
母親は「あの人はお前が入った時から
症状が変わっていないんだよ」と気の毒そうだったのを
覚えている。
たばこやお酒は二十歳からと言うのも
本当にその通りだなと思う。
成長段階の脳に悪影響のあるものは遠ざけないと
いけないね。