何かに喰われた。ダニじゃないか
布団を干すためのハンガーを貸してくれ
そう言ってじいちゃんが僕の部屋までやって来た。
僕の部屋のハンガーは
普通のの工具のクランプだ
ベランダの手摺りが厚すぎて
普通のハンガーじゃ使えない。
じいちゃんはひき返して行ったが
布団を干すのは大変だなと手伝いに行く
窓際に布団が丸めてある。
こんなやり方じゃダメだ
外のメッシュフェンスに掛ける。
じりじりするような暑さだ
これならダニがいたとしても
すぐに駆除できるだろう。
ここ喰われてないか
ちょっと見てくれと言うので
背中の数か所、これがそうかと押さえてやる
ああ、そこんところだ
喰われてるか?
もうこんなにやせ細っちゃったんだよな
ついこの間まではたくましかったのに
もう90だし
この人と暮らすのもあと何年だろう
そんな事をふと感じた。