今は便利な時代だ。
面会謝絶でも動画を通じて
本人の様子を知ることができる。
妹おばちゃんが送って来てくれた動画では
管に繋がれているばあちゃんは
もうすっかり意識が回復しているような
自然な瞬きをしていた
一生懸命生きようと努力しているが
自分で体の中に酸素を取り込む力が
いっとき回復したが
今はまた弱っているという。
衛生には最新の注意をしているが
敗血症の症状も出て来たという。
今は奇蹟を祈るしかない状態だそうだ。
今は便利な時代と言えば
ばーちゃんが勧めてくれたパソコン教室に
通い出して4か月か
エクセルは昔から使っているけど
もっと自由に使ってみたいと思った
小学校の配達に行って
「朝早くから配達ご苦労様です」と言われ
「これからパソコン教室です。
エクセル応用講座に出てるんです」と言う
僕が
「こんなに便利なら社会の変化が目まぐるしくなったのが
わかりますね」と言うと笑っていた。
「パソコン自体はパソコンが出てき始めた時から使っていたんですけど
ビルゲイツもスティーブジョブズも自分で本を読んで
勉強したんだから、僕もと思って独学でやろうとしたんですが
ダメでしたね」と言ったら
「あの人たちはね、一緒に考えられない天才だからね」と
また笑っていた。
息子くんにも一生懸命神奈川工科大学のロボット講座とか
行かせてあげたんだけど、今は別の道を模索し始めている。
「僕をああいうところに連れて行ったから
反対に嫌いになっちゃったんだ」って
それを聞いた時の僕は飽きれるしかなかった。
まあ、普通に親になれば僕に言った事の
情けなさに気が付くことがあるかもだ。
「語学に興味があるんだ」だって。
僕は「語学だったら自分一人で習得できる。
今は今でしかできない事をやって欲しい」と言ってるんだけど。
語学の勉強を一生懸命にする人もいてその楽しさはよく知ってるけど。
でも僕は息子くんの勉強に僕がやっていたような迫力が感じられない。
がむしゃらに単語を覚えまくりコンサイス英和辞典を覚えたような
世界史の教科書に線を引きまくり「こんなので読めるのか?」と
友達に笑われていたような。
結局数学が苦手になっちゃっただけみたいだ。
それでも、ある日勉強が面白くなって力を見せてくれると信じてる。
僕は父親としてそう願うしかない。