ばーちゃんが入院して
猫のアカヤは
いつも餌をくれる
優しいばーちゃんが
いなくなって寂しそう
厚木市の鮎祭りから帰ってきた息子くん
アカヤが表にいたよというので
見てみたら
遠くの擁壁の上にちょこんと座っていて
ばーちゃんの帰りを待っているかのようだ。
呼んでも来ないので玄関を締める。
すると窓からいつものように
大きな鳴き声を上げながら
入ってくる。
いつもなんて言っているつもりで
入ってくるんだろうね
ばーちゃんと笑って見ていたもんだった。
アカヤに餌をやる。
買ってきたキャットフードの袋を開けて
入れてやる。
もう一匹の兄妹猫のクロヤがいれば
まだ寂しくないのになと思う。
ふと黒い影がよぎったような気がした。
そんな事ありっこないただの気のせいだが
アカヤに「ほら、クロヤもやって来たよ」と言う
そしてアカヤがキャットフードを
食べているその間にふと顔を背けると
また黒い影が今度は離れて行くような
気がした。
「クロヤが帰って行ったみたいだね」
とアカヤに話しかける。
あの猫が生きていれば
楽しかったのにな。