「今、町田にいる。迎えに来て。」
本厚木まで15分くらい
時間を考えて迎えに行く。
息子くんが遠くに見えた
近くまで車を動かす。
乗り込んできた息子くんに
しばらくして
「お前、浴室のドアのアクリルガラスを
割ったろう?
どうしてむしゃくしゃしたからって
そんな事するんだよ
あれ直すのに10万円かかるんだぞ」
言いたいことをはっきり言った。
すると、「オレ割ってない」と
まあそう言うだろうなと言う答えが返ってきた。
「ばーちゃんから誰が割ったんだって聞かれて
じーちゃんにも確認したら自分は割っていないって
そうしたら俺でもないからお前しかいないだろう」
「でも自分じゃない」と言い張る。
この言葉を聞いていくらか安心した。
そういうことを平気でやるような
息子になっちゃったんだったら
それは怪物だよ
この先どんなことが待ち受けているか
とても不安だった。
でも息子くんのいう事が本当なら
誰が割ったんだ。
家に帰って
ばーちゃんと話す。
「バケツに水を入れて玄関まで持って行くとき
何かが当たって割っちゃったんじゃないのか?」
そう言うと「多分そんな事は無いと思う。
掃除しているときに棒でもあたったのかな」
そう言っていろいろな可能性を考える。
「お父さんはどうなのかな?」と
じいちゃんがやっちゃった可能性を考える。
「そう言えば、お父さんにガラス割ったのか?って聞いた時
俺じゃないって言ってたけど
いつもだったらそれで終わらないで犯人捜しをするのに
今日はそうじゃなかった」とばあちゃんが言う。
僕も「僕が聞いた時も、俺は知らないと言っただけで
いつもだったら何がどうなったかはっきり見に来るのに
それで終わった」と言う。
息子くん、だんだん顔がほころんでいる。
「やったらやったって言えばいいじゃん
息子を疑っちゃったよ」
これで一件落着みたいだ。