外から帰って来たアカヤ

網戸が細く開いている。

それだけ開いていれば何とか入れるだろ

僕はそう言って様子を見る。

 

それでもアカヤは戻ってこない

通れるかどうかを確かめようともしない

明けて開けてとニャアニャア鳴いている。

 

そこで僕はちょっと隙間を大きくしてやる

ばーちゃんは「ちょっと開けておいたけど

あれじゃ入って来れなかった?」と言う

 

あれじゃ入れないみたいだから僕が少し開けてやったが

まだ入れないと鳴いている。

 

ばーちゃんに近くの市スーパーで買って来た

ういろうを渡してやる。

そしてお椀と箸を持って行ってやると

それを見ていたアカヤはばーちゃんが

美味しいものを食べようとしていると思ったらしく

ばーちゃんのそばへやって来た。

 

通れるじゃんと思った。

自分の気に入るところまで

網戸を開けさせようなんて

変な猫だ。