ネットフリックスでナルコスと言う

コロンビアの麻薬王パブロエスコバルの

ドラマを見ていた。

 

銃撃戦でいとも簡単に血しぶきを上げて人が死ぬ

混乱した国だなと思っていると

息子くんが僕の部屋に来て

「血が止まらない」

 

どうして血なんか出るんだ

止まらないってどうしてよ

 

急いで見に行くと血が噴き出ている。

これは大変だ

とりあえず滴る血をぬぐうためのものを探す

トイレットペーパーがいい。

息子くんに長めにぐるぐる巻き取ってやる。

 

一体どうしてこんな事になったんだ。

息子くんに聞いて見ると

「じじいにやられた」

そう答えた

 

どうしてそうなったのかじいちゃんに聞く

すると「CDでスピードラーニングを聴いていたら

停めに来たからそれを止めさせようとしてそうなった」という。

 

息子くんは「自分のそばでわざわざ音量を上げて

そんなもの聞き始めるから

うるさいから止めに行った」という。

 

じいちゃんは「もういい!お前なんか出ていけ!」と

息子くんに怒鳴っている。

 

「どうしてそれでそんな怪我するんだ?」と息子くんに聞く

すると「よくわからない。じいちゃんに噛まれたんだ」

そう答えた。

 

だけどじいちゃんは歯が無い

それでそんなにざっくりとなるか?

入れ歯かな?

 

これはどっちもどっちだな

 

僕はじいちゃんに「こんなケガさせたら勉強どころじゃなくなるだろ!」

それに受験生をこんな事で刺激したら勉強どころじゃないだろ!」

そう注意する。

 

二人でお互いをののしり始めたので

「もういい、今回の事はなかったことにしよう」

またつべこべ言っているじいちゃんに

「うるさい!黙れ!」という。

 

じじいなんか早く死んでくれ!という息子くんにも

「もうそんな事言うな!」と注意する。

 

そう言って二人を引き離す

床中血まみれなのをばーちゃんと一緒に拭き掃除する。

 

じいちゃんが息子くんにスピードラーニングを聞かせたくて

大音量で掛けたというのは想像に難くない

だけどそんなものを聞かせようと言っても素直に聞く年頃は

とうの昔に過ぎている。

 

英会話学習が大事だと思って孫にやらせてやろうなんて

もうじいちゃんの出る幕じゃない

 

 

そして息子くんも息子くんだ

じいちゃんが聴き始めたものを実力行使で止めに行ったのもおかしい

うるさいと思うんだったらどうして自分の部屋に引っ込まない

エアコンで部屋を暖かくして好きな事をやればいいじゃないか

 

息子くんは「血が止まらない」と言ってべそをかき始めた。

 

ばーちゃんが巻いた包帯を外して

ガーゼを挟み込んで綺麗な包帯に巻き直す。

 

ばーちゃんが僕に「二人が喧嘩を始めたときに

大声で呼んだのにどうして降りてこないの?」という。

 

ヘッドフォンを付けてネットフィリックスを見ていたことを思いだす。

とにかくこれくらいで済んでよかった。

息子くんがじいちゃんに反撃を加えたりしていたら

高校生で力もだんだん強くなってきているし

とんでもない事になりかねない。

 

正月早々波乱の幕開けだ。