息子くん、また勉強を止めようかなと言いだした
サッカーもできないし。
高校に行く意味なんてないということだ。
勉強もスポーツもできなくなっちゃった。
「もういい加減おんなじことばかり言ってんじゃねえ」
さすがに僕も言い返した。
「そんな事ばかり言ってるから全部だめになっちゃうんだ。」
息子くん、先に車から降りて家に戻る
家に帰るとばーちゃんが
「今の音はあんた?」
と聞いてきた。
「いいや、違うよ」と答えて
またあのバカ息子が腹を立てて
ドアを勢いよく閉めて音を立てたんだなと思う。
僕も小さいとき自分の言う事が通らないと
家のカベを両足でどんどんやって
おばあちゃんを困らせたよなと思い出す。
でもほんの4歳ぐらいのことだ。
それからは物に当たった事はない。
「勉強が上手く言ってないから
またつまらないと言いだしたんだ。」
「あの子は今スランプなんだよ」
ばあちゃんがいう。
そう言う言い方もあるよな
その線で励ますか
そこで今朝駅に送ってやる車中
「ばーちゃんが俺に、あんただって
勉強ができないってスランプの時があったじゃない。
かっちゃんも今スランプなんだよって言ってたよ」
と言おうとすると
言い終わらないうちに
「うるさい!」だって
おーこわ
励まそうとした言葉だけど
実は僕はスランプなんて陥らなかった。
交通事故で体に後遺症が残り
「このままじゃ人生終わる」と必死になっていて
陥る暇がなかっただけだけど
難しい年ごろだ。
けど、これも人生の一部で
面白い難局だ。
どういう結末になるのかな。