アカヤが餌をねだる

「うん、わかった」と猫の言葉が分かった振り

そしてお椀にいつものキャットフードを入れてやる。

 

アカヤがテーブルに乗って

僕のそばに来た

「外に出たいんだね」と

またわかった振りして

椅子から立ってドアを開けてやる

 

アカヤはテーブルから飛び降りて

玄関ドアのそばへ行く。

やっぱり当たってた。

 

そして少しして

「あ、アカヤが戻って来た」と

息子くん、窓を開ける。

 

僕は慌てる

「ダメだよ、雨の日は足を拭かなきゃ」

 

するとアカヤはそこに置いてあった

からの段ボールに自分から入って

しばらく足踏みして

それからそこを出てじいちゃんの寝床へ行った。

 

あれ、自分で足拭いたの?

雑巾でもうちょっと拭きたかったが

猫にしては上出来。

 

アカヤも僕の言葉が分かる振りをしたらしい。