予備校帰りに車の中で

息子くんあまり口を聞こうとしない

これはあんまりいい雰囲気ではない

 

「学校の提出課題、どうしてやらなかったんだよ

どんな作品でも提出するかしないかで

心証がガラッと変わるんだ。」

 

「小さいころ書いた自分の自画像

そんなのただ思い出して書きゃいいだけじゃん」

 

先生がまるつけをして返してくれていた。

作品はオンラインで鑑賞できるようにしてくれていた

それぞれの作品に個人名は分からない様に伏せられて

 

「みんなの作品を見ていて

お前の特徴的なやつが無かったから

やっぱり出してないなって気が付いたんだけど」

 

「あの手が鳥の羽みたいになってるやつ」

 

そう言ったら息子くんは噴き出した

 

「かなり大きくなるまであんな絵だったね」

そう言うといつまでも思い出してはぷっとやっていた。

久しぶりに流れた和やかな風

 

「お前、どうして手の形がああだったの?」

そう聞いて見たら息子くんも自分が描いた絵を覚えていて

 

「手の書き方がわからなかったんだ」

 

なんだそうだったのか。それくらい教えてやればよかったな

ふと思った。