アカヤが餌を欲しがったので入れてやる。

食べ終わってしばらくすると立ち上がってドアの方へ歩いて行った。

 

玄関ドアを開けてやる。

 

これから出ても大丈夫かと猫の習性なのか外の様子をじっくり窺う。

そこで僕が背中を押してやる。

 

すると「やめてください」と言う風に「にゃお」と鳴く。

 

やめないでもう一度押す。

すると振り向いて「にゃお」と鳴く。

 

いつまでもやめないで同じことを続けると

「てめえやめろって言ってんだよ」と

そのたびに引っ掻いてきたり噛みついて来た。

いつもと違って力が入っている。

 

実は昨日アカヤはひどく怪我をして帰って来た

喧嘩して深手を負わされたのだ。

尻尾の付け根よりさらに背中の所に

ぱっくり傷口が開いていた。

 

例のどら猫にやられたのかも知れない

 

やはり外に出るには

敵がどこかに潜んでいないか

全身全霊を込めて様子を伺う事が

猫の世界では当たり前なんだろう。

 

暑い毎日が続く

こんな時には外の風通しのいいところで

ゴロンとしているのが猫

 

だけどアカヤは

廊下やトイレの中で寝ている

どちらも家の中では

日差しから一番遠くて

涼しいのかも知れない

 

どうしてそんなところで寝るようになったのか

やっぱりどら猫が原因かもしれないと気が付いた。

 

どら猫は家の中まで押しかけて

アカヤと喧嘩をしていったことがある。

 

トイレやその前の廊下で寝ているアカヤは

お腹を上に向けてすごくくつろいでいる