玄関を入ってすぐの所には展示品と言えるようなものは見当たらなかったそうです。
びりー君は一瞬本当に博物館なの?と感じたそうですが、貴重な展示品を通路なんかに
置いておけないのかなと思ったそうです。
それから少しの間びりー君たちはその通路で二人きりで待たされたそうです。
やがて時間に合わせて他にも来館者の団体がやってきました。でも、日本人の団体客ではなく
話はスペイン語で残念だったそうです。
天野博物館は、時間ごとに来館者をグループにして、館員をガイドにしたツアーを組んでくれて
いたという事です。来館者が、館員の誘導で2階に移動すると、びりー君たちも一緒に移動しました。
ガイドしてくれたのは、さっきとは別の女性だったという事です。
2階に上がり、一つ目の部屋でまず目にしたのが古代ペルーの文化圏を鳥瞰できるよう工夫された
模型地図だったそうです。館員の女性は地図に付けられた豆電球を相互に点滅させながら
その時その時の文化の盛衰を説明してくれました。
天野美術館はチャンカイ文化等の優れたコレクションで世界的にも有名なのだそうです。
来館者の中には英語圏から来た人も何人かいて、館員のスペイン語の解説を自分たちのガイドに
英語に通訳してもらっていたそうです。
びりー君も、そのそばで聞き耳を立てていましたが、しっかり聞いても
80%くらい聞きそこなっているような気がするというほどの英語力なので
どこまでわかっているのか自分でもわからなかったそうです。
そして、びりー君がそういう具合なのに気が付いてロッシが通訳を買って出てくれたそうです。
彼女はしばらく館員の話に耳を傾けてその言っている事を理解すると、今度はびりー君の持ってきた
西和辞典でキーワードを引いて示してくれたそうです。
もう日本語ガイドなんてなくてもいつまでも彼女の解説で博物館が見られればいいやと幸せでした。
収蔵品を見る事が出来ただけでもよかったという気持ちでしたが、地球の歩き方を読み返すと
各文化の代表的な土器が並べられていたそうで解説もしっかりなされていたという事で、また博物館員は
実際に発掘や調査に関わっている人という事だそうです。