「パパ、スパイク返品したい」とチビが言い出した。
「スパイクのサイズが合わないから動きが鈍るんだ」
また、大変な事を言い出した。
中敷きを敷いて何とか使えないか試させる。
指先がきつくなり辛いと言う。
何よりかかとにかなりの隙間ができる。
これじゃ体をしっかり支えられない
「買う時サイズを合わせて買ったんだろ?
店員さんと一緒に」
そう聞くと「うん」と言う。
25.5のスパイクでこの前履いていたスパイクと同じサイズだ。
この前のスパイクを持って来させて大きさを比べてみる。
何と同じミズノのスパイクで25.5の同じサイズだ。
でも明らかに昨日買った方が大きい。
チビにかかとを揃えて垂直にさせる。
何と2センチ近くも長い。
これはひどいなと思いながらどうしようか思案する。
楽しみにして新しいスパイクを買いに行ったのに
こんな事になって可哀そうだ。
自分のお年玉を使って買っている。
何よりこれが気になって今日の勉強ができない。
「でも、もう一度履いちゃったんだから返品はできないよ。
新しいのを買ってやる。今度はパパも一緒に行く。
同じメーカーの靴を同じサイズで店員さんに見てもらいながら買っているのに
どうしてここまで実際のサイズが違うんですかと言って少し負けさせるよ」
「大きいスパイクは友達に新品だから
半額で買ってくれないって引き取ってもらえないかな?」
そう言うと
「足がもっと大きくなってから履くよ」とチビが行った。
僕は少しむっとなって「もう足なんか大きくならないよ!
大体このくらいの足で成長止まっちゃうんだ」と
自分の足やじいちゃんの足を思いながら言ってしまった。
中3になってもまだ僕より若干チビだから
やっぱりそんなに大きくならないだろ?
でもチビの夢を壊すような事を言っちゃったなと後悔した。
無駄にするくらいなら足の大きい友達にただでやってもいいし。
メルカリかどこかへ出品に挑戦してみてもいいな。