「友達はみんな歩いている頃だよ!
早く起きろ!」
毎朝チビの部屋で
チビを起こす時そう言って起こす
中学校と家は離れているから
しかたない
でもパパは甘いから
この時間を浮かせるために
朝は自動車で送ってやる
浮いた時間を勉強に当てさせる
「ゲームの時間を作ってやるために
朝送ってやってるんだから
浮いた時間は集中して勉強しろよ!」
この理屈に納得しているみたいで
文句を言われたことはない
だから昨日も朝自動車で送って行ったんだけど
いつも通る道でバイクと自動車の事故
遠くで何かやってるなと思ったのだが
お巡りさんが5人ほどで現場検証をしていた
田んぼの一本道の先にはまだ横倒しになったバイク
まだ事故処理は始まったばかりだ
しかたなく長い道を引き返す。
ぎりぎりの時間だったので
サッカーの朝練習には遅れたね。
今日その場所を通る時
「花束なんか置かれてなきゃいいね」とチビに言う
「バイクの花束が置かれてたりして」とチビが答えた。
暫く意味が分からなかったが
ああ、そうかt気が付いた
「バイクは昨日くらいなら修理して乗れるよ多分」
自分が事故った時を思い出しながら言った。