うるさいなと思って目が覚めた。

アラームだ。

しかし外が明るいのに気が付いた。

これは大変だ!

今日が休みなはずがない。

一体何時なんだ?と思って時計を見る。

7 時半だ。

練習は遅刻確定。

早くしないと授業に遅れる。

急いでチビを起こしに行く。チビも寝坊だ。

どうして親子そろってこんな事になる。

チビに学校の支度をさせる。

 

ラインで送られて来ていた今日提出の技術の自己評価カード、

チビのカードに抜け落ちた所を補充できているか確認する。

 

書いていない。

送ってくれた親切な友達がいるから

それで確認して埋めて置けよと言ったのにやってない。

下手をすると提出時刻までに間に合わない。

今日なのに。

ここまで書かせておいたのも僕がさんざん口を酸っぱくして書かせたんだ。

ここで提出できないのか。

厚高に入るために成績を上げないとと自分で言ってるのに

それに伴ってやっておかないといけない事ができていない。

常々時間がある時に注意してもらっているのにだ。

これで技術の成績を上げるのは不可能かもしれない。

でも口やかましく言うとますます支度が遅れる事になる。

気持ちを押さえて今日支度するものを僕も揃える。

 

チビはぼーっと考えながら教科書を揃えている。

服がないという。急いで探して持ってくる。

なかなか着替えない。

学校を休みたいと考えているらしい。

しかし今日までに提出しないといけない物が沢山ある。

行かないというわけには行かない。

 

洗面所に行った隙にまだ揃えていない教科書類を揃えて出しておく。

見つからなかった本は散乱した服の下にあった。

国語のノートがない。

もう一度僕が本棚の本を1冊ずつめくると「ああそれ!」と言うから取ってやる。

 

リビングに降りるともう8時半を過ぎている。

大遅刻だ。

「授業に遅れる」とチビは心配している。

と、突然電話が掛かって来た。

誰だ!こんな時に!と思って受話器を取り上げると担任の先生だった。

「親子で寝坊してしまって。大急ぎで向かいます」と言った。

もう休むなんてできない。

チビは洗面所に行って支度する間僕は玄関に行き靴を履く。

チビはすぐに来た。

 

中学校に着く。校門は閉まっている。

少し過ぎた当りで車を止めチビを降ろす。

チビは車の後ろを横断してアコーデオン鉄扉の閉じられた校門に向かう。

歩いて行くのが見えた。

走って行けよとじりじりする。

しかしもうこれ以上する事はないから車を走らせる。

 

学校の周りを周回して元のバス通りに向かうと

北門で入れなかったチビが遠く離れた南門に向かって歩いてくるのを見た。

何てことだ。

「引けば開くだろ!」と言いたかったが鍵でも掛かっていたんだろうか?